【書評】加藤やすこ著『5Gクライシス』、知っておくべき電磁波による人体影響
とくに懸念されているのは、カルシウムイオンチャネルへの影響です。
カルシウムイオンは、神経伝達物質の放出、筋肉の収縮、遺伝子の発現、免疫細胞の活性化、細胞の自然死(アポトーシス)、免疫細胞の活性化などほとんど全ての生命活動に関わります。
・ウクライナのイゴール・ヤキメンコ博士は、弱いレベルのマイクロ波でも活性酸素を増やし、抗酸化物質の活性を変化させ、細胞を酸化させ、DNA破傷を起こし、ガンを誘発することが、動物や培養細胞を対象にした多数の実験で明らかにされてきたと述べています。
活性酸素の増加は、睡眠障害や頭痛、発達障害、うつ、疲労感などの原因の一つと考えられています。
電磁波に被曝すると、さまざまな人体の不調があらわれる。
しかし、日本では電磁波による人体影響自体がほとんど報道されていないので、そもそも電磁波による害という認識がない。たとえば頭痛になっても、それを電磁波の影響として、考察してみる予知がない。癌を発症しても、電磁波の影響を疑うこともない。
・イスラエルのウルフ博士は、ネタンヤ市の基地局から350メートル以内に3~7年住んでいる622人を対象に調査し、発ガン率が全市平均より3.5倍高い、と報告しています。とくに、女性の発ガン率は10.5倍と、非常に高くなりました。
イギリス全土7カ所で疫学調査も行われ、基地局周辺は発ガン率が高いことが2007年に報告されています。
日本で5Gが問題視されない背景に、ジャーナリズムの問題がある。電話会社がマスコミの大口スポンサーであるから、電磁波問題には触れない傾向があるのだ。
本書は正面から5Gに警鐘を鳴らしている。将来、無知の涙を流さないためにも、読んでおく必要がある本なのである。