阿武山(あぶさん)と栗本軒貞国の狂歌とサンフレ昔話

コロナ禍は去りぬいやまだ言ひ合ふを
ホッホッ笑ふアオバズクかも

by小林じゃ

ランダムにサンフレ昔話 その6 タムのゴール

2014-04-14 18:27:10 | サンフレ昔話

 今日は10年前に田村祐基が初出場初ゴールを決めた日。2004年4月14日ビッグアーチ19時キックオフのJ1ファーストステージ第5節名古屋戦をふりかえってみる。画像は翌日の中国新聞。

 タムはユース9期生。Jrユースからの同期に田坂祐介がいる。前年2003年ユース3年の時のタムは、レギュラーというわけでもなかった。当時のユースの3トップは前田俊介、西山貴永、馬屋原の3人が先発する事が多く、タムは俊介が代表に行った時や途中出場が多かった。しかし2年途中まで監督だった中村重和さんから、タムは2年生の時はまだ背が伸びていて成長痛があったそうで将来は上に行く可能性があるという話を聞いたことがある。この03年に16歳の洋次郎がJ2デビューしたことはよく知られているが、春のキャンプから小野監督は洋次郎、一誠、俊介、佐藤昭大と2年生を召集、タムや田坂の3年生は蚊帳の外であった。であるから、3年生からのトップ昇格はないだろうと思っていた。ところがどういう理由かわからないが3年生からも1人上げようという機運が出てきて、3年生選手の進路の意向や小野監督がドリブラーがあまり好きではないことも影響があったのかもしれない、田坂や西山ではなく候補はFW2人にしぼられた。強化部は迷ったみたいで決定は遅れたようだ。結果は将来性を重視してタムに決まり、サンフレジュニアユースから初めての昇格となった。

 さて、4月14日のゲームに移ることにする。小野監督といえば1トップ2シャドウの元祖みたいな存在で最初は4-5-1が基本であったが03年の途中からは3バックや2トップ、試合中に変化することもしばしばあった。このゲームもスタートは3-6-1、高木和正が入った65分以降は4-5-1と変化した。どちらも前は1トップ2シャドウ、両方書いてみよう。3バック時のサイドは前回同様ボランチと同列に書いてみた。


スタート

FW 27中山元気

MF 8カズ、7コウジ

MF 17服部、6サンパイオ、16ハンジェ、14佐藤一樹

DF 28吉田恵、2リカルド、19井川

GK 1下田

(SUB) GK21タクト、DF22大久保裕樹、MF15高木、FW9眞中、32タム


65分(佐藤一樹→高木和正)以降

FW 32タム

MF 15高木、7コウジ

MF 8カズ

MF 6サンパイオ、16ハンジェ

DF 17服部、28吉田恵、2リカルド、19井川

GK 1下田


名古屋の方もメンバー表順に書いておく。

GK1楢崎、DF2秋田、3パナディッチ、5古賀、MF17海本、25吉村、11大野、13滝澤、7中村、FW10ウェズレイ、9マルケス

(SUB) GK22川島、DF6中谷、MF21岡山、31山口、FW28渡邊


 前半はポゼションでは互角以上に戦っていたが相手の2トップと後ろから出てくる中村には迫力があって、攻撃の怖さという点では名古屋が断然上だった。ユースファンからするとシャドウに双子を並べて鏡に映したように攻める趣向?は楽しい。しかし、カズがシャドウというのはタイプではないし攻撃のタレント不足は否めない。これは今のメンバーと比べて言ってるのではなくて、当時のノートにそう書いているのだから間違いないと思う。なお、FWにはチアゴ、大木、盛田がいたけれどケガで離脱していた。ゲームは前半44分、マルケスに決められて、雰囲気としてはかなり重い失点だった。

 そして、後半頭から元気に代わってタム、出るならもっと短い時間かなと思っていて正直言って45分は荷が重いと思った。ところが49分、後半からトップ下にまわったカズが左サイドを持ち上がって縦にパス。これは記事にもあるようにコウジへのパスだったようだが途中でタムがインターセプトするように中に走って左足シュートが決まった。J初出場、しかもファーストシュートで楢崎からゴール。これは本当にびっくりしたし嬉しかった。Jrユース時代のコーチはメインで大泣きだったと聞いた。

 しかしそのあとは、パナディッチにしっかり抑えられて競り合いを繰り返すうちに30分でばててしまった。後半途中からは防戦一方だったが結果は1-1のドロー、負けなくてラッキーと当時のノートにある。

 その後のタムは小野さんの戦術に苦戦して、次第に動けなくなっていく。結局タムのJ1での得点はこの1点だけだった。そのあと愛媛、岐阜、鳥取を経てパラグアイに渡り、パラグアイの最初のシーズンを終えたあとのユースOBフットサルでは本当にキレのある動きを見せていてもう一度Jでやれるのではないかと思っていた。それだけに次の年のケガは残念で、吉田や文化センターで復帰を目指したけれど、そのあと引退を決断しだそうだ。

 あのゴールはまぐれだったという人もいる。しかし、小野監督のようなきっちりデザインされたサッカーであっても、別の味方へのパスかっさらってゴールするような反乱分子?が1人ぐらいいた方が面白いという証拠ではないかと思うのだけれど、どうだろうか。 

短歌 その2 (2009年)

2014-04-14 16:40:52 | 短歌(まとめ)

 

 

        熱血母上

  グルグルと握りこぶしに力こめて我が子のプレー語ってる君

 

        術後二日目

  これからは時が薬とベテランの看護婦もってきた普通食

 

        ホーム最終戦陽介挨拶

  ヨースケの挨拶聞けば4点も4位も忘れ呼びながらなく

 

        トップ練習@吉田

  サンフレもまだまだ捨てたもんじゃないカズは来季を見据えて走る

  一年のクールダウンは子を連れて寿人ふり向きながら進めり

 

       Jユースカップ1回戦@吉田

  109分最後のPK大崎を皆固まりて見守っている

 

       岩国蓮根

  岩国のレンコン食ってシャキシャキと語ってみたいあの人のこと

 

      メモ帳 

  けいた君を真似て持ちたるメモ帳に歌の増えるを楽しくぞ見る

 

      音戸渡舟

  立ったまま音戸の瀬戸の渡し舟 高校生もじっと乗りゐる

  赤信号待ち居るごとく群れ立ちて対岸着けばすぐ歩き出す

 

     文字ニュースで内田健太の名前を見て 

  伊予鉄バス車内ニュースで流れゆく「内田健太が代表」の文字

 

       愛媛FC練習@北条

  伊予の海を背中に負ひし田森君のへろへろ走り見れば楽しも

  北条の海と蜜柑と田森君とお日様もあり何を嘆かむ 

  夕焼けをなでるみたいにフェリー行きてこれぞ正しき海の乗り物

 

       阿武山冬景

   広島菜つけたいと思う空気来て阿武山黒くくっきりと見ゆ


       Jユースカップ決勝トーナメント

  熱く熱く縦に走ったキャプテンが中見てクールに出すラストパス 

  セナとマコと「さあ行こうぜどこまでも」並んで歌う長居の空よ

  ちびっこのゆうと茶島の活躍もおとぎ話のように過ぎゆく