東京芸術劇場で11日まで公演中のNODA•MAP「Q」を観劇。
ロミオとジュリエット、源氏と平氏、そしてQUEENと歌舞伎がMIXされたお芝居とのこと。
どんなお芝居なのか想像もつかない私は、とにかく観て感じようと、久しぶりのお芝居を心待ちにしていました。
始まりは歌舞伎の俊寛!(勘三郎さんの俊寛は泣けるんだ!!)それだけわかった。
で、MIXすごいです。
野田さん、やっぱりなんだかすごいや…
ただただ圧倒されました…
セリフが多くて、早口で、走り回って、字幕機でことばを全部追うのもムリ。
わからないことのほうが多いとおもうんです。
でも、およそ3時間の公演で感じるものがあるんです。うまく言葉に表せないけれども、のこるんです。胸元にぐっと押しつけられたように。
物語が終焉へと向かうほど胸に迫ってくるものがあり、ラストの手紙には心を揺さぶられるんです。
松たか子さん演じるジュリエの涙が、上川隆也さんのロウミオの心痛が、ふたりの想いが伝わってきます。
役者さんたちの迫真の演技に吸い込まれ、こんなにお芝居ってすごかった?と、ドキドキしながら目を開いて見続けました。
松たか子さんが好きなので、見逃すまいと追いかけました。
志尊くん…爽やかでした。動きが実に軽やかで、全力で生きてる!といいますか、ロミオのエネルギッシュさ若さ、全力の愛ゆえの葛藤がひしひしと伝わってきます。
竹中直人さんの怪優ぶりは文句なしでしたし、出演者の皆さんの個性が次からつぎへと溢れてはビシビシ飛んでくるように感じました。
そして、QUEENの曲がみごとに場面を盛り立て、観ているこちらの感情にぐいぐい迫ってきます。
イギリスとか日本とか時代とかそんな区切りを超越した物語が、違和感なくどんどん展開していきます。すごいスピード感です。
できることならもういちど観たい。
お芝居ってたのしいですね。
難聴のわたしが心から楽しめたのは、東京芸術劇場のおかげなのです。
聴覚障害者のために字幕機を無料で貸し出す公演を年に何度か行っているそうです。
字幕機をただ貸すというだけではありません。
字幕機の使い方や会場時間などを案内をしてくださる手話通訳と要約筆記の方も待機して、劇場担当者からの説明を通訳してくださいます。
このような機会を定期的に設けてくれる劇場ってあるのでしょうか?私はほかに知りません。
これまでNODA•MAPのほかに、シェイクスピアや唐十郎さんのお芝居を東京芸術劇場で字幕機を借りて観劇しました。
こういう機会を作ってくださることに、心から感謝しています。
お芝居の楽しみを諦めなくていいんだ!
ほんとうにありがとうございました。