中風は、外の風にあたりたる病には非ず、内より生ずる風に、あたれる也。
肥白(ひはく)にして気すくなき人、年四十を過て気衰ふる時、七情のなやみ、酒食のやぶれによつて、此病生ず。
つねに酒を多くのみて、腸胃やぶれ、元気へり、内熱生ずる故、内より風生じて手足ふるひ、しびれ、なえて、かなはず。
口ゆがみて、物いふ事ならず。
是皆、元気不足する故なり。
故に、わかく気つよき時は、此病なし。
もし、わかき人にも、まれにあるは、必(かならず)肥満して、気すくなき人也。
酒多くのみ、内かはき熱して、風生ずるは、たとへば、七八月に残暑甚しくて、雨久しくふらざれば、地気さめずして、大風ふくが如し。
此病、下戸にはまれ也。
もし、下戸にあるは、肥満したる人か、或(あるいは)気すくなき人なり。
手足なえしびれて、不仁なるは、くち木の性なきが如し。
気血不足して、ちからなく、なへしびるゝ也。
肥白(ひはく)の人、酒を好む人、かねて慎あるべし。
中風(脳出血や脳梗塞)は外の風に当たって罹琉病気ではない。
体内に生じた風に当たって罹る病気。
肥満して色白な人と気が少ない人が、四十歳を過ぎて元気が衰えた時、そして七情の悩みや酒食の害によってこの病気が起こる。
日頃から酒を多く飲んで胃腸を悪くし、元気が減り、内熱が発生しているので、体内に風が発生して手足が震え、痺れ、麻痺する。
そして口が歪んで喋ることが困難になる。
これはみな、元気が不足するから。
それゆえに、若くて気が強い時はこの病気は起こらない。
しかし、若い人でも稀にこの病気が起こることがある。
その人は必ず肥満して、気が少ない人。
大酒して、体内が渇いて熱を持ち、風が発生するから。
たとえて言うと、七、八月頃に残暑が厳しくて、雨が長く降らず、地の気が熱して冷めない為、大風が吹くようなもの。
この病気は酒の飲めない人にはほとんど起こらない。
もし酒が飲めない人がこの病気を起こすとしたら、肥満した人か、気が少ない人。
手足が麻痺し、痺れ、感覚がなくなり、枯れ木が性を失ったようになります。
気(き)血(けつ)が不足して力が無く、麻痺して痺れるのです。
肥満して色が白い人や酒を好む人は普段から用心する必要があります。
ところで
新型コロナ: 国内の死亡1万4000人減 1~10月、コロナ対策影響か: 日本経済新聞
という報道がありました。
12月14〜30日インフルエンザ感染報告が
・たったの70件(前年同期:105,221件)
当然インフルエンザで亡くなった人も少ないはずです。(毎年3000人〜1万人くらい亡くなる感染症)