サボテンの林から

メキシコのラパスでのこと、書いています。主に子供二人、猫、犬、うさぎのことです。

命の値段

2011-08-16 01:09:29 | 日記
メキシコで接種が義務となっているワクチンは、公的な病院で接種が無料になっている。表向きは全員接種なわけですが、事実はどうやら違うよう・・・。

いつ病院に行っても、ワクチンなし。いつワクチンが来るのかと聞くと、ワクチンが到着する日にちは分からないので、毎日電話で聞けといわれた。周囲の新生児がいるママたちも、同じよう。

とりあえずメキシコのスケジュールにのっとると2カ月めで接種が必要なワクチンは3本。すでにワクチン接種のスケジュールから遅れはじめてしまったので、個人病院に行って有料で接種してもらった。ワクチンが国で不足しているわけじゃなく、有料の個人病院にはしっかりある(不思議だよね~)。公的病院で不足しているだけってところが、なんとも切なくやりきれないメキシコ。

ワクチンのお値段は大体800~1,000ペソ。これを全部有料で打ってもらうとなると、1歳で軽く10,000ペソは超える。10,000ペソって、ひと月の最低賃金が2,000ペソ以下のこの国の人には大金。しかも、普通の人は日本みたいに貯金するって間隔もなくその日暮らし。ま、一言で言うと、自腹で払える人は相当限られているはず。

今回、私はワクチンを買えるお金があった。でも、無かったら?実際には、お金がなくてワクチンが接種できず、病気にかかって子供が死んだり障害を持ってしまうようなことがおおくあるんじゃないかと思う。こんなときに、悲しいけどやっぱり命の価格は一人一人差があると日々思う。それは子供本人が決められるものではなく、たまたま生まれた環境で決められているもの。

今、私が住んでいる州ではワクチンが不足しているけれど、毎年、子供の出生数がおおく変わることなんてあるわけがない。ワクチンがなぜ不足しているのか?看護婦が生まれたばかりの赤ちゃんを盗んで売買しているメキシコで、ワクチンが転売しているのではないかと疑わずにはいられない。なんで、最初に、最も弱い人から、助けを必要としている人が、誰かの金儲けのための犠牲にならないといけないのか、やりきれないな~。