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主のご降誕  聖ボナヴェントゥラ

2016-12-24 12:41:51 | 格言・みことば
 ローマ皇帝アウグストゥスの治下、世界的平和のしずかな休息が、それまで混乱していた時代を晴れやかにしたとき、そしてまた、この君主が全世界の人口調査を命じたとき、神の摂理の配慮によって、「処女」の夫ヨセフは、やがて母になろうとしていた王族出の若い妻を、ベトレヘムの町に案内した。

 すると、受胎後九か月のとき、「平和の王」が生まれた。かれは、快楽とはなんのかかわりもなく宿されたのであったが、その母にはなんの変化も与えないで、「浄配が婚姻の室から出る」ように、処女の胎外に進み出たのであった。

 かれは、強く富んでいたにもかかわらず、愛によって、小さく貧しくなって、わたしたちのもとに来ること、自分の家にではなくはたご屋で生まれること、みすぼらしいむつきに包まれること、処女の乳でやしなわれること、牡牛とろばのあいだで、まぐさおけのなかに生まれることを選んだ。

 そのとき、わたしたちのために、新しい贖罪の日、古い日の償いの日、永遠の福楽の日が明けた。そのとき、全世界にわたって、天は蜜のように甘くなった。

聖ボナヴェントゥラ 『生命の木』


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