浦川和三郎司教『基督信者宝鑑』天主堂出版、大正8年発行
10-0-1 食事
この世に生きとし生ける者は、いずれも食物を摂ってその生命をつないで行きます。どんなに下等な植物でも、高等な動物でも、物を食べずに生きて行けるというものは一つもありません。人間のごときは、霊魂上から申しますと、遥かに周囲の万物に乗り越えているのだけれども、肉体上についていえば、やはり一個の動物であって、日には幾度も飲んだり、食べたりしなければ生命が繋がれぬ。
さらばといって、ただもう、牛のように飲み馬のように食べ、わが身は無形の霊魂を備えた万物の霊長たることすら忘れるようではいけません。で、食事を神聖にするについて、2、3の注意を記しておきましょう。
10-0-1 食事
この世に生きとし生ける者は、いずれも食物を摂ってその生命をつないで行きます。どんなに下等な植物でも、高等な動物でも、物を食べずに生きて行けるというものは一つもありません。人間のごときは、霊魂上から申しますと、遥かに周囲の万物に乗り越えているのだけれども、肉体上についていえば、やはり一個の動物であって、日には幾度も飲んだり、食べたりしなければ生命が繋がれぬ。
さらばといって、ただもう、牛のように飲み馬のように食べ、わが身は無形の霊魂を備えた万物の霊長たることすら忘れるようではいけません。で、食事を神聖にするについて、2、3の注意を記しておきましょう。