まず最初に書きますが、私は、幸いなことにこの虫を今まで見たことも、その被害に遭ったこともありません。しかし、後述する理由から、どうにも私は疫病とか害虫だとかに、興味を持ってしまう性格のようです。そういうわけで、調べて、そして調べた結果よりも調べ方を載せる方が、もしかしたら大切かもしれないと思いましたので、今回はそんな記事を書くことにしました。
トコジラミに有効な農薬・殺虫剤の見つけ方
既存の薬剤に耐性を持つ、こうした面倒な害虫に有効な農薬の見つけ方は限られますが、いくつかあります。それは、
1、駆除業者のウェブサイトを参考にする
そんなにはお勧めしませんが、少しは参考になります。彼らが絶賛するサフロチンMCなどは本当に有効なのでしょう。
ただ、私は全面的には、このような調べ方を信頼していません。
トコジラミにしてもシラミにしても、かつて日本でほぼ絶滅された吸血性の衛生害虫が、2000年以後、再び流行り始めた背景には、害虫駆除の基本的なドクトリンが間違っていたことがあると思うのです。
すなわち、DDTやBHCを規制したことです。これらの薬品はその放漫な使い方に問題があったのであって、毒性はピレスロイド以外の殺虫剤よりは低いですし、そのまま使い続けていれば、こうした衛生害虫は本当に撲滅できていたかもしれません。
かつて、2012年頃、沖縄県に耐性シラミが大流行しているというニュースを見たときも、私はDDTを解禁してくれるよう沖縄出身の各議員にメールをしたことがありました。一体、サリンなどと化学式の似た有機リン系の殺虫剤とDDTと、どちらが危険で、どちらが有効で、どちらがより使いやすいかなど、少し考えればわかることです。そんなわけで私は害虫駆除の常識に根本的に不信感を持っていますので、業者の紹介する「お勧めの方法」だけを鵜呑みにする気にもなれないのです。
ちなみに業者の使う薬のうち、サフロチンMCは確実にこの虫に対して効果がありますが、カーバメート系や有機リン系の薬品は、報道を見ても、下表を見ても、既に効果を失っているようです。ピレスロイド系が全く効かないのは、言うまでもありません。
2、近縁種に有効な薬を調べる
まったく別件ですが、トコジラミとは別に、2023年にはカメムシが日本で流行しました。トコジラミも実はカメムシの一種なのですが、それとはまったく別にです。私の家にも大型のカメムシ(キマダラカメムシ)が何度か入ってきて、ゴキブリと間違えて、殺虫剤を沢山かけてしまったのですが、少しも効果がなかったのです。
(これは今年の晩秋に自宅に侵入したキマダラカメムシ。かなり大きいです)
そもそも、カメムシには、アースジェットやキンチョールの類が効きにくいようです。
トコジラミに体の構造の似た近縁種(ハナカメムシやマキバサシガメ)に有効な薬なら、トコジラミにも有効な可能性があるでしょう。
そこで調べて見つけたのが、ハチハチ乳剤でした。この殺虫剤はトコジラミの近縁種のハナカメムシを簡単に殺してしまう殺虫剤です。ただし、こうした調べ方にも問題点があります。他のカメムシには有効でも、トコジラミにだけは、無効な可能性があるのです。すなわち、トコジラミが常にその薬剤のストレスに晒されていて、耐性を既に獲得してしまっているケースです。
よって、最後に紹介する調べ方が大切になります。ちなみにハチハチ乳剤はこの方法でも効果の確認できる薬でした。
3、耐性種に対する各種農薬の試験結果を見る
徹底的に調べれば、そうしたサイトや論文はいくつかありますので、調べることができます。実際、そうした論文のひとつから、表を一枚、引用しましたが、この方法で見つけた薬が、ハチハチとプリンス粉剤でした。これは、近年見つかっている最新の耐性トコジラミに対しても、顕著な効果を発揮しているようです。
これら3つを併用すれば、他にも、実は有効だが、まだ使われていない薬を見つけることができる可能性があります。
私がこうしたことに関心を持つ動機
私は子供のころから、やたら疫病や虫系の話に関心を持ってしまい、中学生の頃にも寄生虫のレポートを書きましたし、大学でも卒論のテーマに関係があることから、疫病史をかなり追ったりしました。家族や親戚に医師が何名かおり、影響を受けたせいでもあると思います。
この件も、まだ被害にあってはいませんが、調べまくってしまい、そうした記事が、これらでした。
余談
この虫の流行のニュースを聞いた時、私は、DDTを自分で製造してしまえないものか、再び調べたりしました。私は疫病史的な関心から、DDTはとても信頼していて、これができれば、もし被害に遭っても容易に駆除ができるだろうと思ったのです。調べた結果、DDTは自家製造は難しいが、似た効果のBHCなら個人でも製造ができそうなことがわかりました。そして、衣料用防虫剤として売られているパラゾール(パラジクロロベンゼン)は、BHCと化学式が似ており、おそらく同じ効果を持つであろうことも知りました。勿論、作ってはいません。違法というのもありますが、次の理由から、既に効果が下がってそうだということを知ったからです。
それは、ピレスロイドとDDTは、半減期以外はかなり似ていて、既に今、世界で流行中のトコジラミがピレスロイドに数千倍の耐性を身につけてしまっている以上、DDTにもかなりの耐性を持っていそうなことがわかったからです。
予防用途なら、おそらく衣料用防虫剤のパラゾールはかなり使えるでしょう。
最後に
私が調べた結果を、そのまま信じることはできないかもしれません。
だから、皆さんも、お調べになってみて下さい。そして、自分なりの方法を見つけて下さい。自分が調べて見つけた方法なら、信頼ができるでしょう。
各国の状況を見ると、来年夏には流行する可能性があります。そして、コロナの時と同じように、本当に流行したら、関係する道具も薬品も手に入らないか、少なくとも今より数倍に高騰するものなのです。
ことに、カトリック教会ではやったら、大変なことになります。ミサをするごとに、信者が自宅にこの虫を持ち帰ってしまい、信者の自宅に蔓延し、またそれが教会に持ち込まれ・・・ピンポン感染を繰り返すことにもなりかねないのです。よって、教会関係者には、特に事前に予防に注意を払わなければいけない責任があるでしょう。
トコジラミに有効な農薬・殺虫剤の見つけ方
既存の薬剤に耐性を持つ、こうした面倒な害虫に有効な農薬の見つけ方は限られますが、いくつかあります。それは、
1、駆除業者のウェブサイトを参考にする
そんなにはお勧めしませんが、少しは参考になります。彼らが絶賛するサフロチンMCなどは本当に有効なのでしょう。
ただ、私は全面的には、このような調べ方を信頼していません。
トコジラミにしてもシラミにしても、かつて日本でほぼ絶滅された吸血性の衛生害虫が、2000年以後、再び流行り始めた背景には、害虫駆除の基本的なドクトリンが間違っていたことがあると思うのです。
すなわち、DDTやBHCを規制したことです。これらの薬品はその放漫な使い方に問題があったのであって、毒性はピレスロイド以外の殺虫剤よりは低いですし、そのまま使い続けていれば、こうした衛生害虫は本当に撲滅できていたかもしれません。
かつて、2012年頃、沖縄県に耐性シラミが大流行しているというニュースを見たときも、私はDDTを解禁してくれるよう沖縄出身の各議員にメールをしたことがありました。一体、サリンなどと化学式の似た有機リン系の殺虫剤とDDTと、どちらが危険で、どちらが有効で、どちらがより使いやすいかなど、少し考えればわかることです。そんなわけで私は害虫駆除の常識に根本的に不信感を持っていますので、業者の紹介する「お勧めの方法」だけを鵜呑みにする気にもなれないのです。
ちなみに業者の使う薬のうち、サフロチンMCは確実にこの虫に対して効果がありますが、カーバメート系や有機リン系の薬品は、報道を見ても、下表を見ても、既に効果を失っているようです。ピレスロイド系が全く効かないのは、言うまでもありません。
2、近縁種に有効な薬を調べる
まったく別件ですが、トコジラミとは別に、2023年にはカメムシが日本で流行しました。トコジラミも実はカメムシの一種なのですが、それとはまったく別にです。私の家にも大型のカメムシ(キマダラカメムシ)が何度か入ってきて、ゴキブリと間違えて、殺虫剤を沢山かけてしまったのですが、少しも効果がなかったのです。
(これは今年の晩秋に自宅に侵入したキマダラカメムシ。かなり大きいです)
そもそも、カメムシには、アースジェットやキンチョールの類が効きにくいようです。
トコジラミに体の構造の似た近縁種(ハナカメムシやマキバサシガメ)に有効な薬なら、トコジラミにも有効な可能性があるでしょう。
そこで調べて見つけたのが、ハチハチ乳剤でした。この殺虫剤はトコジラミの近縁種のハナカメムシを簡単に殺してしまう殺虫剤です。ただし、こうした調べ方にも問題点があります。他のカメムシには有効でも、トコジラミにだけは、無効な可能性があるのです。すなわち、トコジラミが常にその薬剤のストレスに晒されていて、耐性を既に獲得してしまっているケースです。
よって、最後に紹介する調べ方が大切になります。ちなみにハチハチ乳剤はこの方法でも効果の確認できる薬でした。
3、耐性種に対する各種農薬の試験結果を見る
徹底的に調べれば、そうしたサイトや論文はいくつかありますので、調べることができます。実際、そうした論文のひとつから、表を一枚、引用しましたが、この方法で見つけた薬が、ハチハチとプリンス粉剤でした。これは、近年見つかっている最新の耐性トコジラミに対しても、顕著な効果を発揮しているようです。
これら3つを併用すれば、他にも、実は有効だが、まだ使われていない薬を見つけることができる可能性があります。
私がこうしたことに関心を持つ動機
私は子供のころから、やたら疫病や虫系の話に関心を持ってしまい、中学生の頃にも寄生虫のレポートを書きましたし、大学でも卒論のテーマに関係があることから、疫病史をかなり追ったりしました。家族や親戚に医師が何名かおり、影響を受けたせいでもあると思います。
この件も、まだ被害にあってはいませんが、調べまくってしまい、そうした記事が、これらでした。
余談
この虫の流行のニュースを聞いた時、私は、DDTを自分で製造してしまえないものか、再び調べたりしました。私は疫病史的な関心から、DDTはとても信頼していて、これができれば、もし被害に遭っても容易に駆除ができるだろうと思ったのです。調べた結果、DDTは自家製造は難しいが、似た効果のBHCなら個人でも製造ができそうなことがわかりました。そして、衣料用防虫剤として売られているパラゾール(パラジクロロベンゼン)は、BHCと化学式が似ており、おそらく同じ効果を持つであろうことも知りました。勿論、作ってはいません。違法というのもありますが、次の理由から、既に効果が下がってそうだということを知ったからです。
それは、ピレスロイドとDDTは、半減期以外はかなり似ていて、既に今、世界で流行中のトコジラミがピレスロイドに数千倍の耐性を身につけてしまっている以上、DDTにもかなりの耐性を持っていそうなことがわかったからです。
予防用途なら、おそらく衣料用防虫剤のパラゾールはかなり使えるでしょう。
最後に
私が調べた結果を、そのまま信じることはできないかもしれません。
だから、皆さんも、お調べになってみて下さい。そして、自分なりの方法を見つけて下さい。自分が調べて見つけた方法なら、信頼ができるでしょう。
各国の状況を見ると、来年夏には流行する可能性があります。そして、コロナの時と同じように、本当に流行したら、関係する道具も薬品も手に入らないか、少なくとも今より数倍に高騰するものなのです。
ことに、カトリック教会ではやったら、大変なことになります。ミサをするごとに、信者が自宅にこの虫を持ち帰ってしまい、信者の自宅に蔓延し、またそれが教会に持ち込まれ・・・ピンポン感染を繰り返すことにもなりかねないのです。よって、教会関係者には、特に事前に予防に注意を払わなければいけない責任があるでしょう。