水面の月光 水底の砂粒 2017-01-11 | Weblog 私は心の何処かで期待していたのだ あの人が迎えに来てくれることを あの人にもう一度愛されることを 今となってはそこへ 帰ることも戻ることもないのに その気持ちも最早 川に流れる間に 岩に削られ 砂粒のように 散って行ったのに 散らばった私の思いは 人目にふれることはなく 届けることもなく またそれを望むこともなく ただ今も そこにあり続けている 幾月も 月の満ち欠けに合わせ 幾月と 心の満ち欠けを合わせ 水面にのびる月光が 散った砂粒と溶け合って