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ちょっと汚れた青いシャツが、陽に焼けたおっちゃんの濃い肌の色にぴったりだった。
強引な客引きや挨拶だけでの“トモダチー”にちょっと疲れたあたしたちにとって、おっちゃんがいるここはとても居心地がよかった。
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彼女の笑顔とややオーバーなリアクション、独特の仕草は、会話への潤滑油となっていて、異国の言葉でうまく自分を表現できないことに、いらいらして彼女に気を遣わせていたことに、ちょっとの間、恥じた。
そんなことは、ほんのちっぽけなことなんだよ。みんないずれは土に還るんだ。
どんなものも受け入れ、どんなものも呑み込んでゆく。
そんなふうに思える大きな大地のうねりが、ここにはあった。
わたしたちのすべてを包み込む優しさと、すべてを破壊する狂気を孕む、この大河。
そうだ、わたしたちの身体の大半は、水でできているんだ。
この、ガンガーの悠久な流れを、ずっと見つめていたかった。
それは彼女も同じだったらしく、あたしたちはただ、無言で白々と明るくなっていく聖なる河を見つめていた。
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今日8月15日はインドの独立記念日、今年は60周年とあって、ガンガーの近くの露店も、活気に満ちていた。
岸辺を埋め尽くすたくさんの人、人、人・・・。
これでもまだ、この時間は少ないほうなんだよ?と、彼は加えた。
申し訳なかったーー{汗}
わがままゆってもゆるしてくれる、年上のおねーさん、スキ{ラブラブ}</色>