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一人のリクシャーワーラー【2】

2007-08-28 22:04:49 | インド旅行記
おっちゃんは優しかった。今まで出会った、どのリクシャーワーラーよりも優しくて無理強いしなくて、どのリクシャーワーラーよりも、日本人慣れしているようだった。土産物の説明をするときは、いつもティーのことをコウチャー、と笑いながら話した。

ちょっと汚れた青いシャツが、陽に焼けたおっちゃんの濃い肌の色にぴったりだった。

強引な客引きや挨拶だけでの“トモダチー”にちょっと疲れたあたしたちにとって、おっちゃんがいるここはとても居心地がよかった。



英語堪能な彼女との会話に、あたしは相槌を打つことくらいしかできなかったけど、それでも何度か振られた話を受け、それだけで満足だった。

彼女の笑顔とややオーバーなリアクション、独特の仕草は、会話への潤滑油となっていて、異国の言葉でうまく自分を表現できないことに、いらいらして彼女に気を遣わせていたことに、ちょっとの間、恥じた。

そんなことは、ほんのちっぽけなことなんだよ。みんないずれは土に還るんだ。
どんなものも受け入れ、どんなものも呑み込んでゆく。
そんなふうに思える大きな大地のうねりが、ここにはあった。

わたしたちのすべてを包み込む優しさと、すべてを破壊する狂気を孕む、この大河。

そうだ、わたしたちの身体の大半は、水でできているんだ。



この、ガンガーの悠久な流れを、ずっと見つめていたかった。
それは彼女も同じだったらしく、あたしたちはただ、無言で白々と明るくなっていく聖なる河を見つめていた。

今日8月15日はインドの独立記念日、今年は60周年とあって、ガンガーの近くの露店も、活気に満ちていた。
岸辺を埋め尽くすたくさんの人、人、人・・・。
これでもまだ、この時間は少ないほうなんだよ?と、彼は加えた。



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2 コメント

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Unknown (紅花)
2007-08-31 20:23:41
<色:#ff6600>ちぽ</色>がさ自分らしく振舞えなくてイライラしているその感じ、わかるわー笑{キラリ}彼女に同情{スマイル}
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Unknown (ちぽ)
2007-08-31 21:31:11
<色:#ff6666>・・・でしょ?(汗)
申し訳なかったーー{汗}

わがままゆってもゆるしてくれる、年上のおねーさん、スキ{ラブラブ}</色>
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