「おっちゃん!!!」
どちらともなく、声を出した。
「おっちゃん、おっちゃん!!!」
大きく手を振るおっちゃんは、何かを叫んでいたようだった。
時間は本当に無情で、列車の時刻は既に迫っていた。
車は砂埃をあげて走り出した。
50mほど先の路地を折れ、彼の姿はあっという間に見えなくなってしまった。
明日、この時間にバラナスィーを発つって話したこと、憶えていてくれたんだ。
最後の見送りに、来てくれた。
このときの感情は・・・未だ自己消化できずにいる。
ふと横をみると、うつむく彼女がいた。
彼女は泣いていた。
わたしが見る、初めての涙だった。
繊細で、情に厚くて、人と触れ合うことが大好きで、人との繋がりを何よりも何よりも大切にする彼女が、あの事実に傷ついていないはずはなかった。
彼女が大きな信頼を、おっちゃんに寄せていることは解っていた。
どこまでも寛恕な彼女の心。
時に生き難いのではないかと思えるような胸の内の純粋さ。
素直さと謙虚さ。そして、曝け出す勇気。
気づいたら失くしていたもの、わたしがもたざるものたちを、彼女はたくさん持っていた。
虚勢と強がりで塗り固められたフィルムに護られているつもりで、いつの間にか見失っている。
強すぎる自己顕示欲。どんどん不透明になってゆく自分。
偽りも嘘もない彼女は、心の底から旅を楽しみ、どんなときでも本気で向き合っていた。
どんなときでも、キラキラと輝いて見えた。
事実、今目の前にいる彼女は、とても美しかった。
涙も出ないわたしは・・・冷たすぎるのだろうか。。。
どちらともなく、声を出した。
「おっちゃん、おっちゃん!!!」
大きく手を振るおっちゃんは、何かを叫んでいたようだった。
時間は本当に無情で、列車の時刻は既に迫っていた。
車は砂埃をあげて走り出した。
50mほど先の路地を折れ、彼の姿はあっという間に見えなくなってしまった。
明日、この時間にバラナスィーを発つって話したこと、憶えていてくれたんだ。
最後の見送りに、来てくれた。
このときの感情は・・・未だ自己消化できずにいる。
ふと横をみると、うつむく彼女がいた。
彼女は泣いていた。
わたしが見る、初めての涙だった。
繊細で、情に厚くて、人と触れ合うことが大好きで、人との繋がりを何よりも何よりも大切にする彼女が、あの事実に傷ついていないはずはなかった。
彼女が大きな信頼を、おっちゃんに寄せていることは解っていた。
どこまでも寛恕な彼女の心。
時に生き難いのではないかと思えるような胸の内の純粋さ。
素直さと謙虚さ。そして、曝け出す勇気。
気づいたら失くしていたもの、わたしがもたざるものたちを、彼女はたくさん持っていた。
虚勢と強がりで塗り固められたフィルムに護られているつもりで、いつの間にか見失っている。
強すぎる自己顕示欲。どんどん不透明になってゆく自分。
偽りも嘘もない彼女は、心の底から旅を楽しみ、どんなときでも本気で向き合っていた。
どんなときでも、キラキラと輝いて見えた。
事実、今目の前にいる彼女は、とても美しかった。
涙も出ないわたしは・・・冷たすぎるのだろうか。。。
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