植民地戦争+α

歴史テーマの中量級のボードゲームを制作し、ゲームマーケットに出展しています。
なので歴史とボドゲの話が多いです。

<ゲームレビュー>ポイットキャストと、ひつじとどろぼう

2014年12月13日 10時54分10秒 | ゲームシステム
この間、ゲーム会でゲームマーケット2014秋で購入したゲームをいろいろと遊びました。
ポイットキャストと、ひつじとどろぼうもそうです。

遊んでまざまざと感じたことがありまして、普通の感想では無くちょっとゲーム制作・販売と言う観点からいろいろと書いてみたいと思います。
たまたま両作品が、ゲームとしては同じぐらいの面白さですが、販売に向いていると言う観点では差があると感じたので、取り上げてみました。

【ゲーム性】
ゲームの面白さと言うか、ルールそのものはとてもどちらもとても面白かったです。
ひつじとどろぼうは、前評判どおりかなー。ちょっと残念だったのは2人用ルールがあまり機能しておらず、全体バランスを考えるとこれは4人がベストかなー。
ポイットキャストは2人でしか遊んでいないので、3人ではどうかと言う点がありますが、多分システム上、逆に3人の方が面白いかもしれません。
細かなゲームバランスが節妙に取れている良いゲームです。

しかし、「売る」って観点から考えるとポイットキャストは、売り文句が出てこないのです。基本的にはアグリコラで採用されている優れたワーカープレイスメントで、相手のワーカをつぶせる上書きルールがあったり、イベントカードによってエリアそのものの機能が失われるなど、色づけがされています。
一方、ひつじとどろぼうは今まさにはやりのカードドラフトで、さらにドラフトしたカードで自分だけの道を作っていくし、どろぼうは全プレイヤー共通で動くことでひつじが奪われます。この簡単なルールを聞いただけで、「遊んでみたい!」って思った方は多いのではないでしょうか?
想像が付く範囲で、しかしやってみないと判らないぐらいの絶妙な斬新さがもっとも「売る」と言う点では良いのかもしれません。

・・・遊んでみたらどちらも楽しかったのですがね。


【デザイン・コンポーネント】
ポイットキャストのデザインは、「ピクトグラム」です。道路標識などに使われている簡単な図形などで意味が分かるようにしたものです。これの優れた点が「見れば判る」点です。なので、ポイットキャストをインストしたら、細かなカード説明はいらず、見ただけで何が出来るかが一目瞭然でした。これは本当に優れたデザインだと感じました。
一方、ひつじとどろぼうは「牧歌的な」と自称しているだけあり、風景画のようなデザインです。これの凄いところは、パッケージやその中身をパッとみただけで多くの人が、このゲームがなんであるかはともかくとして、「ちょっと遊んでみたい!」って思うところにあります。ゲーム会でもパッケージやコンポーネント、特にふわふわの毛玉の羊を見せただけで遊びたいと言う人で溢れました。
これはかなり考えさせられるある意味、事件でした。ピクトグラムって機能はとても優れていることが立証されたのですが、やはり「売る」と言う観点でみると難しいと考えさせられました。ピクトグラムを全面否定する訳ではないのですが、例えばポイットキャストは前作が「ブラック企業大戦」ですから、その路線でピクトグラムもブラックさを醸し出すピクトグラムにして、如何にも怪しい会社の社長になって社員をこき使うイメージがもっと想像できた方が良かったのかもしれません。

・・・遊んだら一緒なのですがね。


ちょっとまとめますと、ゲームの面白さとは別に(まったく別です!)、「遊んでみたくなるようなワクワク感」や、「楽しさが伝わる」ようにしていくことが、「売る」と言う行為には必要だなって感じました。ワクワク感や楽しいそうに思うことは多分人それぞれですから、正解が無い課題です。今回のひつじとどろぼうも、一般的に好評だったデザインも、この羊の絵柄は嫌いとか、毛玉には何も惹かれないと言う方も居られましたから、全員に思わせることは無理なんだと思います。しかし、なるべく大勢の人や、ある特定の客層の心を掴むことが、購買に繋がるのだと思います。

最後に、ポイットキャストのpluglessgamesさん、ひつじとどろぼうのPower9さん、勝手に比較考察してすみません。
どちらも良いゲームですので、ご興味ある方は是非、購入して遊んでみて下さい。

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