地図のない街

日々金欠に

『わたしを離さないで』を読みました

2016年01月13日 00時01分58秒 | 読みました
カズオイシグロの『わたしを離さないで』を読み終わりました。
2016年1月15日より、TBSにてドラマ化されます。


内容に触れると、どうしてもネタバレになってしまいます。
未読の方、ドラマを楽しみにしてる方の為に、なるべく避けます。

感想をメインにします。

文章表現の巧みさは、解説にある通り「上手いな」と思わせます。
その点では、脱帽です。

テーマを据えて描き切った点も「よくここまで」と思わせるところです。


別の著者の作品で(確か『指輪物語』)、
「良い物語というものは、めでたし、めでたし。で終わるものなんだ」
といった、箇所があります。

物語の全てが「めでたし、めでたし」で終わったら、それはそれでつまらないと思います。
「めでたし、めでたし」で終わるということは、物語のひとつの指針だと思っています。
そうやって物語が終わると「いい物語だった」と幸せな気分で本を閉じられます。


『わたしを離さないで』は、少なくとも「めでたし、めでたし」ではないようです。
不幸な終わり方なのか? 中東半端なのか? これは読み手の捉え方次第だと感じています。

はっきりと「こうなんだ!」とは言えないところでは、難しいですね。

読み終わった後に、あれやこれやと気になる伏線があります。
本来なら、ちょっと時間を置いて読み返すのでしょうが、
この作品は読み返す気分になれません。
これが、私の『わたしを離さないで』の感想を一番よく表しているのでしょう。


一言、著者に伝えたい事があるとすれば、
もう少し簡易な文・文章にして欲しいですね。
わかりにくいところが、面白いというのは、もうそろそろ卒業したいですね。