〜かたることばが歌になる風になる〜

<ナチ>ニモマケズ

毎年8月は合唱団も練習は休み。
昨日は今年前半の最後の練習日だった。
大阪は最高気温37度の予報で『高温注意報』が出ている中出かけた。
アスファルトの道路を通過する時、ゆらゆらとした熱風をもろに感じたのは初めてだった。
 この日だけは電車の中はガンガンに冷やされていて体調が何とか保たれた。
来年5月23日予定のコンサートの曲がほぼ決まり練習している。
ホームページの「風の練習日記」にそのことについて書いた。


来年歌うソングの中に「<ナチ>ニモマケズ」というのがある。
宮澤賢治を敬愛していて『ケンジニアン』と呼ばれていた林さんが「アメニモマケズ」をもじって作った詩。

林さんはドイツの劇作家ベルトルト.ブレヒトや作曲家ハンス.アイスラーの、『社会変革』という意志に傾倒された。
ブレヒトの詩を意訳されたり、ブレヒトに関連する作詩や作曲も多い。アイスラーはナチの統治下にはアメリカに亡命した人だ。
アイスラーへの共感から「<ナチ>ニモマケズ」は作られたそうだ。

『<ナチ>ニモマケズ』  林光 詩/曲
ナチにもまけず壁にもめげず 
避難先でのアカ狩りにもへこたれず 
丈夫なあたまとからだを持ち 
地上の天国を欲深く求め 阻むものには怒りを燃やし 
仲間とにぎやかに笑っていた

食うや食わずでも 楽しく酒を呑み
あらゆることを 
自分を含めた人民の利益を 勘定に入れながら 
よく見聞きしわかり忘れず 
そこから行動の指針を引き出した 

都会の石のジャングルの片隅の 
小さなアパートの部屋に住み
東に病気の子供あれば 
その熱の原因は 劣悪な住宅のせいだと言い
西の疲れた母に向かって 
今からでも遅くないから 字を覚えろと励まし
南に死にそうな共和国あれば 
かけつけて連帯を訴えた
北に喧嘩や訴訟あれば 
もっと争えもっと争えもっと争えと 
励ました右の手にはアバンギャルド 
左の手には労働者運動
二本のロープを握って
ひたすら暗い純音楽と 俗っぽいだけの労働者音楽 
どちらの谷へ嵌ることもなく

第三帝国の日照りのときも 涙を流さず
人民民主主義の甘さの夏にも おろおろ歩かず
自由の女神の 牢屋でさえも生きぬいた
そのかわり どこにいても 
ほめられはせず けむたがられた

そういうものに 君はなった 
 君のせいではなかった


※ここでの「アカ狩り」は第二次大戦後のアメリカで、上院議員ジョセフ.マッカーシーの名前を取って
 「マッカーシズム」と呼ばれた共産主義、共産党員の排除運動のこと。
※アバンギャルドとは、フランス語で、軍隊での先制攻撃を行う小隊(前衛部隊)を意味する。
 美術では『前衛芸術』シュールリアリズムなどと呼ぶ。最前線で新しいことをやるという意味によく使われる。
※第三帝国とは、古くからキリスト教神学で「来るべき理想の国家」を意味する概念として用いたそうだが
  ここでの意味は、ドイツのナチ統治下での当時に盛んに用いられた「ドイツ」を指す言葉。

活動を終了した「女声合唱団風」のこと、「コーラス花座」のこと、韓国ドラマ、中国ドラマなど色々。

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