昨年12月に訪れた弓削牧場。続きを書くのが大幅に遅れて、その時の情景も感慨も薄れている感があるが書こう。
「ホエイ(乳清)」という、チーズを作るときに固形物と分離された副産物として大量にできる液体がある。ほとんど廃棄物とされるのだが、ヨーグルトを静かに放置しておくと溜まる液体も「乳清」と呼ばれ、この成分には色々な効能があるようで、レストランのコースではホエイで作ったシチューも頂いたし、牧場のショップではこれが含まれた石鹸なども販売されている。
自宅で使っている石鹸。人工的な香りをつけていないので、乳くさい?ような匂いがあるが、洗顔後がとてもしっとりして、乾燥を防いでお肌にとても良いように思う。
レストランのクリスマス時期の可愛いテーブルセッティング。
ランチの前にサービスで出た小さなケーキ。
サラダと牛乳。サラダは食べる花・エディブルフラワーを乗せた、オーガニック野菜と数種類のハーブとカッテージチーズが添えられている。
牛乳の味は、少し失礼な表現をすると加工乳のような、一般に牛乳と思っている匂いではない、牛の体で作られた鼻に付く乳の味といった感じか。牛乳嫌いの人には苦手?かな。牧場の宣伝をちょっと邪魔するような表現になってしまったかもしれない。実はもっと濃厚なもの、甘くない練乳を薄めたようなものを想像していたので、総スカンを食らったような意外な気がした。母乳がそうであるように、思ったよりさっぱりしていて、体の中で作られるものってこういうことかと思う。
ホエイでできたシチュー。
ジャガイモが入っていて色が味噌汁っぽいが、少し和風なような?独特の匂い(ホエイ)の後味があった。
最後にデザートと飲み物。テーブルにはそれぞれが選んだ違うケーキ。
私はチーズケーキにしたがお土産にはシフォンケーキを買った。
この後牧場の散策。
こちらのオーナーさんのお話では、牛たちの放牧は自由にしていて、牛たちはお乳が張ってくると自分で搾乳機のところに来て絞ってもらうらしい。
こちらの牛は生後3、4ヶ月の、人間で言うと小学生ぐらいとか。
次は中高生クラス。
目の前で体長2メーターぐらいもある実物の牛を見るのは初めてで迫力がある。
牧場を見渡せる丘に登って見る。
ハーブも育てていて販売もしているそうだ。
オーナーさんの説明では、オーガニック栽培や、自由な放牧で牛たちが自由に歩き回り休憩し、自主的に搾乳してもらうなどといった酪農経営は、すでにアメリカなどではあたり前で、酪農を始めようと言う初心者にとって入り口が入りやすいものだそうだが、日本ではその考え方において30年ほど遅れているとのこと。
自然と動物と人間との共存においてのこういう考え方は、「女声合唱団風」がその作品を歌っていた作曲家林光さんが傾倒していた、宮澤賢治が理想としていたユートピアを目指すのに近いものだと思った1日だった。