またまた合唱団のソングなどをアップロードした。
社会派で知られる林光さん自身の詩や、氏が選んだ詩に作曲されたソング3曲。
社会批判を込めた内容だがメロディーは明るくたおやか。
1曲目「告別」(エドウィン・カストロ源詩/林光詩) ピアノは私。
E・カストロの生年月日は不明。
ニカラグアの革命運動が失敗し組織は壊滅。
活動家だった彼は投獄され4年間の拷問の後
1960年5月18日ラ・アヴィアシオンの牢獄で殺された。
彼のいた牢獄の壁には、息子に宛てた告別の詩が残されていた。
苦しみの日々の中でも希望を捨てていなかったことを
この詩は示している。
(他所の方のフェイスブックから情報をお借りした)
ソングの最後のメロディーが途切れているのは
「苦しみは裏口から出て行き、、、」の歌詞のように
出て行ったのか。
カストロがこの時処刑されたことを表している?
とかないとか、、、。
2曲目ソング「欠陥(将軍よ、きみの戦車は)」(ベルトルト・ブレヒト詩/林光曲)
1976年作曲作曲された。
ブレヒトの第三詩集「スヴェンボルからの詩」に収められた断章
「ドイツ戦争案内」より(源詩無題)とある。
このソングの詩に関しての情報は、正直よくわからないが詩の内容は皮肉たっぷり。
団員たちはこういうソングは少し苦手だけれど、それを知っていてもなお
大森先生が選ぶマニアックな作品をよく歌った(歌わされた?笑)ことを思いだす。
3曲目ソング「流れる水と岩の歌」(林光詩/曲)1978年作曲。
1952年に勃発した名古屋の大須で、警察部隊とデモ隊が激しく衝突した公安事件。
事件の被告たちを励ますコンサートのために作曲された林さん自身の詩によるソング。
B・ブレヒトの「平和の一戦士の死によせて」と「老子亡命途上道徳経成立由来譚」と
題する詩がヒントになっているそうだ。
上に書いている情報はとても難しいが
「集まった川の水の流れは、大きな岩になった敵も打ち砕くことができる」という
詩の内容はとてもよく理解できる。
次は林光さんの作品以外の日本歌曲。
ソロとしてよく歌われる作品の、合唱版で歌った3曲。ピアノは富美子さん。
「日本歌曲・たんぽぽ」(三好達治詩/中田喜直曲)1947年作曲。
春の訪れを告げるタンポポへの花への親しみと愛情
そして残された自分の時間への思いが、弾んだリズムと
春霞のようなピアノの揺らぎを背景に繊細に表現されている。
たんぽぽの綿毛が風にとばされていく景色も見えてくるようだ。
「日本歌曲・さびしき野辺」立原道造の詩に紫田南雄が作曲(1949年)
夭逝した詩人立原道造の詩集『優しき歌』に作曲した歌曲集「優しき歌」の第4曲。
愛の亡霊にとりつかれた不安と緊張の詩と美しいメロディの愛の歌。
これもソロで演奏される作品。
「日本歌曲・さくら横ちょう」(加藤周一詩/中田喜直曲)1950年作曲。
桜の花が咲くと昨日の恋を思い出す。もう会うこともないが
会っておざなりの挨拶を交わしても始まらない。
過ぎたことは過ぎたこと。恋の季節に見た桜でない桜の花を見よう。
私はこの曲のソロのピアノ伴奏をしたことがある。とても有名な中田氏の歌曲だ。