最近中国ドラマの方ばかり観ていたので、以前から気にはなっていた
韓国ドラマ「愛の不時着」のこと。
先日の、テレビ朝日の「羽鳥のモーニングショー」で
女性のコメンテーターも、初めて韓ドラを見たという
男性コメンテーターの人も、左寄りでお堅いコメントが多い中
この日は、女性目線の嬉々として姦しいエンタメ情報に沸いた。
いろいろ見尽くした自称「韓国ドラマ通の私」(笑)としては
まだ観ていないのは沽券に関わると、慌てて二日間で16話を
一気見してしまった。
主人公の男女を演じている人気俳優の二人がビジュアルも最高で
ドラマで鍵となる二人の共通の国、スイスの美しい景観の映像もあり
見ているだけで心地いい。
巷では、このドラマ、現代版ロミオとジュリエットだとか。
ちょっと長い文章になってしまうけれど、、、。
いつものお決まりだが、主人公ヒロインは韓国の財閥令嬢。
いつものお決まりだが、主人公ヒロインは韓国の財閥令嬢。
韓国の「財閥」という言葉がいつも引っかかる。
日本のいわゆる財閥(元貴族)とは違うから。
グループが経営するアパレルや化粧品などの会社社長のユン・セリを
ソン・イェジン。
北朝鮮の軍高官の息子でエリート軍人リ・ジョンヒョクをヒョンビンが
演じている。
物語は、ユン・セリがパラグライダー中に竜巻に巻き込まれ
ありえないが、北朝鮮に不時着して木に引っかかっていたところを
軍人リ・ジョンヒョクに助けられるというところから始まる。
彼は片田舎の村に住んでいるが、ここは日本の昭和初期?
どこの国?というような現代と思えないような村。
図らずも北に降り立ってしまった彼女を、ジョンヒョクは
隠密に南に送り返すまでしばらくこの村の自分の家にかくまう。
この村のご近所さんたちの会話は姦しくて少し下品、、。
人情味あふれるご近所さんは、若いジョンヒョクが住まわせた
若い女性に興味津々で、入れ替わり立ち代わり訪ねてきて
ラブコメタッチの俳優陣の芝居には何度も笑わせられる。
韓国目線でドラマを作ると、やっぱりこういう騒がしい設定なのか(笑)
しかし村人は純朴で温かく優しい。
かたや韓国の財閥には定番の異母兄弟姉妹の設定で、ヒロインセリは婚外子。
父親の会長からは、後継者として一番信頼を得ているが、上の二人の
腹違いの兄とその嫁からは敵対視され、彼女を蹴落とそうと
ずっと画策を巡らしている。
幼い時からそういう寂しい境遇にあって孤独な彼女は
感情を他人には見せず、他人と一緒に食事などはしない。
ジョンヒョクの部下たちは彼女の身辺警護のため
この住まいに頻繁に出入りするが、初めは戸惑っているセリも
元々の天真爛漫でお嬢様育ちの、好き勝手なことを言う彼女は
どこか憎めなくて、セリ演じるソン・イェジンの可愛さは抜群。
セリはジョンヒョクと彼の部下たちの、純朴さや優しさにほだされ
徐々に韓国でいた時にはなかった安らぎを感じ
その温かさの中に溶け込んでいく。
朴訥と喋るジョンヒョクだが、料理のできないセリにご飯を作ってあげたりして
次第に心を許していくセリ。
二人の距離は縮まっていく。
彼は、自分の愛する女性に身を挺して守る、力強くて優しい男性。
女性から見ると理想的な男性像。
「永遠の桃花」の白浅を守る夜華も同じ男性像。
ドラマの視聴率は上がるはず。
ドラマの設定は緊張感のある状況だが、コメディータッチで描かれていて
泣いたり爆笑したりの場面ばかりで、韓ドラが初めての
男性の視聴者もはまったらしい。
惹かれている二人の軍事境界線のところでの涙の別れのシーンは切なく
これからの恋愛はどうなっていくのか期待と不安の場面。
いろいろな絡みのシーンを織り交ぜてのドラマ展開はハッピーエンドなのか。
北というと、世界では不気味で恐ろしい国というとイメージがあるが
不便でつましい生活ではある村人の、純朴で温かい人間像の描き方は
韓国のドラマの作り手の、北朝鮮への温かさがあふれているように
私には感じられた。
終盤のスイスでの二人の再会のシーンに癒やされて余韻が残る。
朝鮮半島に幸せが訪れることを願うばかりだ。