うちには若い頃に録音したピアノ演奏のカセットテープが一杯あって
昨年、カセットもレコードもこれらをUSBメモリーに保存できるという
複合デッキをみつけたけど、保存ファイルのノイズ音の多さで
結局返品したことは書いた。
カセットのデッキも壊れて久しいし、せめて再生できるものをと
Amazonで探していたら、私が望んでいたデジタル化を簡単にできる
「SUPER USB CASSETTE CAPTURE」なるものを見つけた。
カセットの再生機とパソコンとをUSBケーブルでつないで
最初にインストールしていた
音声編集のようなソフトで処理するという作業。
夕方4時頃から、一昨年亡くなった後輩と連弾した
「スラブ舞曲」のカセット録音を
デジタル化しようと作業を始めた。
購入してレビューを書いている多くの人が
取説が英語で書かれているが、自分たちでも理解できる英語だから
すぐ変換できたと書いていたように
私も殆ど理解できてその手順通りやっているのに
細かい説明がないので
マイクやサウンドの「デバイス(周辺機器)」選びがわからず手間取って
これかな、これかなと色々触っていて 数時間経って
ようやく写真のような波形が表示され録音に成功した。
(プリモ 私 / セカンド 彼女)
彼女ときちんと取り組んだアントン・ドボルジャークの
ピアノ連弾「スラブ舞曲集」には第1集と2集があり
この時それぞれの曲集から1曲ずつ弾いた。
ドボルジャークと言えば「交響曲 新世界」で、小学校の下校の音楽は
この曲の2楽章のフレーズから作られた「家路」だった。
このピアノ連弾曲を世に出して、彼はすぐ
管弦楽曲にも編曲していて
その後は世界中でオーケストラの人気の作品となった。
私たちが演奏した1曲目の元気な曲は
「2、2、2拍子、、3、3,3拍子」という
ボヘミアの代表的な民族舞曲のリズムを取り入れて
彼独自の作品に仕上げている。
2曲目は「ドゥムカ」という農民の不幸な運命を歌った抒情的民謡と
途中にはチェコの民族舞曲も入れている。
この連弾曲は1994年の恩師のピアノグループのコンサートで弾いた。
私と1年後輩は40代だった。
ほかの門下生は20代や30代で
私たちの出演を恩師はことのほか
喜んで下さったのを思い出している。
恩師が29歳ぐらいの若き頃、私も後輩も門下生になり
おっそろしく怖い先生だったけど
それだけに先生にも思い入れのある生徒ではあったと思う。
亡くなった後輩とは、彼女が小5、私が小6の頃からの付き合いだった。
高校音楽科の頃から、ピアノ科は副科は声楽で
第2副科(副々科)というのがあり、何かの楽器を選ぶことが出来る。
私はヴァイオリンを選択していたが
彼女は多分体が大きかったのと、大学の学生オーケストラには
コントラバス(ベース)が少ないから、彼女はこれを選んで
学生のオケにも駆り出されていて、卒業後もプロのオケにも入っていた。
晩年はアマチュアのオケに教えにも行き
エキストラなども引き受けたりしていて
学生の頃、ピアノをあまり練習してこない彼女に恩師が
「あなたコンバスに転向したら?」とおっしゃったように
元々弦楽器の出身のように活躍していた。
この切ないメロディーと、亡くなった後輩のこととが相まって
懐かしさと切なさで思わず涙が出そうになった。
まだまだ、忘れていたような録音が出てくることだろうと期待している。