びわ湖ホールの大ホールで開催された相愛オーケストラ秋期特別演奏会のプログラムは、最初にベートーヴェンの弦楽四重奏曲変ロ長調作品133『大フーガ』(弦楽合奏版)
作曲家たちのそれぞれは、その生涯の終わり頃には当然ながら、自身の内面に向かっていく作業となっているという。この「大フーガ」にもベートーヴェンのそういうものが読み取れる。それは以前絵画展で観た画家のモネやルノワールも、晩年の作品に同様のことを感じた。私たちのように曲がりなりにも演奏する立場の人間から見ると「無から有を生み出す、何もないところから作品を生み出す」作曲家という人たちが何と言っても一番凄いと思う。
2曲目はお目当のブルッフ作曲ヴァイオリン協奏曲第1番作品26
この1楽章、あるいは3楽章は、ピアノ版の伴奏譜で、ヴァイオリンの先生のところの生徒さんの発表会や、コンクールでの伴奏をしたことがあってとても懐かしい。弦楽器のピッチカート(弦を指で<はじく>奏法)が入ったりするので、ピアノでは中々出せない弾みやリズム感がある。そこがとてもエキサイティングな気分にしてくれる曲なのだ。
休憩後にE・エルガーのエニグマ変奏曲作品36
イングランド中部に生まれたエルガーは、正式な音楽教育を受けていないが独学で作曲、ピアノ、ファゴットなども習得していったそうだ。この時代にはそういった人が結構居る。タイトルの「エニグマ」とは「謎」という意味らしい。この変奏曲はとても長くて、途中睡魔に襲われてそれにうち勝とうとしていて、隣の喜代美さんに目をやると時折頭がガクンとなっていた。みんなおんなじ。
アンコールはエルガーの「威風堂々」
この曲を聴くと胸を張って歩きたくなる。