飛鳥田一雄(元横浜市長)の著作の中に『素人談義 三人ジェラール』というのがある。 これは1960年代から70年代にかけて、いろいろな雑誌や新聞に書いてきたエッセーをまとめた本で、政治・市政のことにも触れているが、大半は歴史や趣味のことなどについて語ってる。 その中に「ういろう事始」という章がある。1974年の「文芸春秋」5月号に掲載されたものだ。 先日、私は小田原で見た「ういろう駅前薬局」の記事を書いたが、その後、あらためて『素人談義 三人ジェラール』を読み直してみた。 そこには、こんなことが書かれている。 ≪小田原名産ういろう(外郎)の発案者、陳宗敬に興味を持っている≫ 飛鳥田さんは、あの羊羹みたいな“ういろう”は陳宗敬が作りだしたと言っているのだ。 しかし、食べものの話はこれだけで、このあとは陳宗敬の人物像が展開されている。 ≪彼の家は、元来、漢民族に属するのだが、元朝に仕えて医を事とした≫ 陳宗敬は異民族のもとで医療関係の仕事をしていたという。 この人が日本に帰化したとき、官職(礼部員外郎)名の一部を取って陳外郎(ちんういろう)と名乗り、薬の製造販売を始めたという説もある。そして彼がお菓子の「ういろう」を発案したというから、小田原駅前の「ういろう駅前調剤薬局」でお菓子の「ういろう」を売っているのも納得できるわけだ。 参考:ういろうの歴史 ※冒頭の写真は「ういろう駅前調剤薬局のHPから ←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね |
ウイロウは名古屋駅で買って電車内で食べるのがいいです。
また食べたくなってきました。