洋の東西を問わず太古から生活の中には占いというものがあった。 いや、生活だけではない。政治や商売の中でもそれは利用されてきた。 まるで人類の歴史における通奏低音のように、連綿と行われてきたのである。 そんな中、戦後の日本には何度か占いブームがあったという。 最初は1960年代初め。安保闘争後の混乱期だ。 次は1960年代終盤。大学紛争や公害問題で世の中が再び騒然としていた時期である。 70年代末。オイルショック後の不安な時代がブームを作り上げた。天中殺なんていうのが話題になった時代かな。 さらに80年代末以降、いわゆるバブル崩壊後のときである。 次に90年代後半から21世紀初頭にかけて。インターネットが一気に普及し、世の中の動きが早くなっていく時期と重なる。 そして今また、かなりの占いブームが起きているようだ。 朝、テレビをつければ、どのチャンネルでも出勤前の星座占いや、血液型占いが放送されている。 インターネットを利用したWeb占いも大流行で、ちょっと検索しただけで細木某女史やら何やら、たくさんのサイトがヒットする。 もちろん携帯電話を使った占いもあるが、すごいのは携帯番号そのもを占ってしまうというサイト。自分の名前と携帯電話番号を入力すると、その番号自体を占ってくれるらしい。 携帯電話番号は生年月日や姓名と同様、決して偶然ではないという。今の携帯電話で会話する時間が長ければ長いほど、その影響が現れるらしい。特に恋人との会話は要注意だとか。 それにしても、名前と携帯の番号なんか入力送信して大丈夫なのかなぁ… 現代は先行き不透明の時代といわれている。 政権交代はしたものの、相変わらず自分たちの今後の生活や老後がどうなるのかは見えてこない。 仕事は? 社会保障は? 医療は? 生活資金は? 不安は尽きない。 しかも、時代は低成長。派遣切り、リストラ、格差拡大、日ごとに激しくなる競争などによって人々のストレスは激増している。 そこで心の拠り所を探すことになるわけだが、そのうちの一つが占いということなのだろう。
街を歩いていると、手相占いの客引きに声を掛けられることが多い。 「今日は大先生がいらしてますよぉ~」 「よく当たると評判ですよぉ~」(って、当たったかどうか、どうして分かったのかなぁ?) 手相占いの店は大きく分けて3グループあるようだ。 一つは995円の安謝占館。二つ目は1000円の大鳳占やかた。そして3つ目のグループはどちらにも所属していないように見える独立系。 お客さんは概して若い人たちが多く、それもほとんどが女性の2人連れや1人客だ。数少ない男の場合は彼女とカップルで座っている。男性同志とか男性1人客なんていうのは、まったく見たことがない。 そんな女たちが占ってもらっているのは、何だろう。やはり結婚のこととか、単純に将来の自分の姿なのであろうか。 カップルの場合はお互いの相性だろうね。その二人に対して「いずれ別れる運命ですよ」なんていう占い結果を伝えることもあるのかな。 そんな宣告を信じない二人はこのあと中華街で食事をしたのだが、勘定を巡って争いとなり別離。女性はその足で占い師のところに駆け込み、「先生っ! 当たりましたァ!」なんてことも… 先日はこんなのを発見! 人相術占い? どこを見ても占い師はいないようだが… 無人の証明写真コーナーだった。 履歴書やパスポート用に自分で撮影するアノ機械である。 こいつが占い師なのか! さて、占いの先にあるものは開運グッズだ。唐辛子ストラップをはじめ、パワーストーン、水晶、岩塩、開運花文字、携帯電話開運彫刻などなど、その種類はかなりある。 そんななかで、いつも感心して眺めているのが携帯電話開運彫刻。 よく彫刻している場面を見かけるこちらの方は彫刻芸術家であり、水墨山水画家、篆刻家、書道家でもあるそうだ。細かい模様を下書きも無く一気に彫っていく姿はまさに神業だ。 万一しくじったりしたらお客さんの大切な携帯電話を傷つけることになる。細心の注意を払って作業しているのだが、それにしてもスゴイ! ゴッドハンドだ。 こちらの方は江蘇省工芸美術名人にも認定されているとか。 占い・開運グッズの周辺に「癒し系」の店がある。周辺といっても地理的な近さではなく、お客さんの求めるものとしての近さだ。 足つぼマッサージの「ニライカナイ」ではスピリチュアル・ヒーリングも行っている。「中華街整体院」では整体、足つぼの他に岩盤浴がある。この2店に「足裏健康館」を入れて、中華街のヒーリング・トリオが完成するのだ。 あれぇ? なんだか右肩と右手首が痛いなぁ。 久しぶりにこんな長文を書いたから、右半身が凝ってしまったようだ。 そうだ、足つぼマッサージに行ってこよう。 ←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね 「ハマる横浜中華街」情報はコチラ⇒ |
詳しい情報をありがとうございます。
鍼灸師になったり、整体院を開業した知人がいますので、
そちらで受けてきます。
なかなか良いこと言うじゃないですか。
海運から海運へ。
「軽快なトークで人気なあのお方の元職場仲間」に観てもらいたいですねぇ。
どんなトークなのかな。
私も昔は手相を勉強していました。
学校を卒業したら渋谷で占い師をやろうなんて考えていた時期もあったのです。
同級生や後輩相手に真似事をしていましたが、
なかなか難しいもんです。
喋りがね。
修学旅行生が50円100円の各色唐辛子ストラップを楽しそうに選んでいるのは微笑ましい限りです。
大先生の中には、軽快なトークで人気なあのお方の元職場仲間?がいらっしゃるそうなので、あの方とコメントのやりとりがある人は既に幸運が舞い降りているに違いありません。
あれ?
A「こんにちは、初めまして」
B「ああ、どうも」
A「まだ新米なものですから、よろしくお願いします」
B「いえいえ、こちらこそ」
新米の大先生もいらっしゃるようです。