中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

食べ放題・フカヒレ系の店で連続麻婆豆腐

2009年12月03日 | 中華街いろいろ

 滅多に行かない食べ放題系の店やフカヒレの店に3日連続で出かけてきた。
 食べたのは3店ともランチの麻婆豆腐。

 まずは南門通りにある「金龍飯店」から。西門通りの「龍江飯店」や市場通りの「金鳳酒家」などの姉妹店である。



 基本は観光客などにターゲットを絞ったような食べ放題の店なのだが、平日の昼時には100種類のメニューから1品選び、それにライス、スープ、ザーサイ、杏仁豆腐をつけて735円というランチサービスをやっている。
 しかも、ランチといっても午後5時までの提供だから、昼休み時間の一定しない近隣会社員や営業マンなどには喜ばれそうだ。


 その100品というのが、これ。
 でも、よく見るとその中にはスープやデザートのほかに、エビ蒸し餃子3個とかミニ叉焼まん2個なんていうのも混じっているので、ランチのオカズとなる実質的な料理メニュー数はグッと減る。

 また100品の中にはタンタン麺などの麺類や、五目炒飯などの飯類も数種類入っている。麺をセットにした場合、たとえばタンタン麺+ライス+スープ+ザーサイ+杏仁豆腐ということになり、これはこれでよくある組み合わせが完成する。
 
 しかし、飯類の場合はどうだろう。たとえば五目炒飯+ライス+スープ+ザーサイ+杏仁豆腐!
 ラーメンライスなら多くの方が経験済みだろうが、炒飯ライスとなるとこれをやった人はいないのではないか。
 炒飯をオカズにしてご飯を食べるわけだ。

 ということで、私が世界初の「炒飯ライス」実食者になろう、と思ったが、
 やめておいた。



 結局選んだのは四川風麻婆豆腐。


 メニュー写真にあるとおり金属の鍋に入れられて登場。
 充分熱いということは、お店の表示どおり注文を受けてから調理しているのだろう。味としては「並」か。
 使用している豆腐は「絹」。あまり山椒の香りがしないけれど、中盤になるとかなり汗が吹き出してきた。

 カロリーオーバーを気にしながらもライスのお代わりを半分だけ注文したら、フロアスタッフが持って来たのは山盛り一杯のご飯!
 食い切れねぇ~、とか叫びながらも完食。
 なんだか“逆兵糧攻め”という感じだった。
 

 食後の杏仁豆腐は寒天タイプだろうと考えていたのだが、意外にもフワトロタイプだったのにビックリ。
 
 しかし、もっと驚いたのはフロアが完全禁煙だったこと。「タバコは外で」というような表示があった。嬉しいね、安心して食事ができるぜ。


 次の日に行ったのは、オーダー式食べ放題とフカヒレ専門店「三国志新館」。
 南門通りの朱雀門横にあるのが本店で、ここは「鴻昌支店」跡に最近できた新館だ。
 

 外壁に掲げられた金メダリストやら鉄人やらはどこを見ているのでしょうか?
 向かい側にある黄色い店、90円肉まんのチャンピオンたち?

 そう、ここの対面には「皇朝」があるのだ。
 大通りを挟んで金メダリストとチャンピオンが対峙しているという構図。
 まあ、これが同じジャンルでなくてよかったのかな。


 ランチは850円と高めの設定。大通り価格なのだろうか。
 Cランチに「元祖! 四川陳麻婆豆腐」が出ているが、これは定番料理なので、おそらく週替わりではなく、ずっと提供しているに違いない。

 ということで、「元祖! 四川陳麻婆豆腐」を注文。これは「三国志」が「小翔記」といっていた頃のネーミングと同じ。
 味のほうはどうだろうか。


 ここのは木綿豆腐を使用。それが挽き肉やネギなどと一緒に、強めの片栗粉で絡められている。
 口の中に入れると、全体的にモッタリとして重量感がある。山椒の香り風味をかなり感じるが、決して大汗が吹き出すような辛さではない。

 「小翔記」時代の麻婆豆腐と、どこか違うなと思っていたら、そう、以前は「一癖二癖あって奥ゆかしい」感じの味だったのが、こちらでは「一癖あって奥ゆかしい」になっているのだった。
 麻辣感は本店より少ないかもしれない。でも、四川陳麻婆豆腐だ、それなりの辛さはある。“町中華”で出てくる麻婆豆腐と比べると、やはり格上。美味しくいただいてきた。 


 この日、元祖!四川陳麻婆豆腐を注文した際、真っ先に運ばれてきたスープ・ザーサイ・杏仁豆腐。
 最初からデザートが出てくるなんて、早すぎると思うのだが、まあ、子どもと一緒なら喜ばれるか…。



 ところで同じ「元祖! 四川陳麻婆豆腐」でも、本店は700円!
 この値段の違いは立地条件か。
 本店は南門通りの端、中華街の南端だから700円、新館は大通りの好立地だから850円なのかな。
 

 3日目は「廣翔記新館」へ。
 「廣翔記」は2007年、上海路に新しく開店した店。それが2年半で早くも3店舗目を出すとは…


 場所は蘇州小路と南門通りの交差点。かつては菜香グループに名を連ねていた「菜」の跡地だ。
 巨大なフカヒレの看板が目を惹く。
「鉄人のフカヒレ専門店」か……。私には無縁の店だな、と思いながらも周囲を観察する。



 1980円のお手ごろコースなんていうのもあるようだ。


 国家主席専用料理人 王永祥シェフ監修かぁ……。
 「新福記」でも監修という立場の人がいるようだが、本来、“監修”とは書物の著述や編集などについて管理監督することのはず。
 これを料理の世界に持ち込んだ場合、監修者とはどういう立場に立つ人を指すのだろうか。
 
 料理長の上に位置する監修者は調理には直接参加せず、完成した作品をチェックしたり修正したりして、総合的な方向性や料理観を示しているのだろうか。
 それとも書物の世界とは違って、厨房で料理長と一緒に制作しているんだろうか。
 「四川風元祖陳麻婆豆腐」も監修しているのだろうか。気になる……


 かつてここが「菜」だったころの厨房はすべてテーブル席に転換。かなりの席数が確保されていた。
 フロアを動き回るスタッフはイヤホン式のトランシーバーを付けて、どこかの大店の雰囲気。みなさんキビキビしている。

 麻婆豆腐がやってきた。(端の方が汚れているのは、撮影前に慌てて食べてしまったからです)
 なかなか良い香りだ。麻辣感も充分あり、美味しい。
 合間に飲むスープは、なんとフカヒレ入り。しかもお代わり自由とは。

 ご飯の器は小型なので、これもお代わりが必要だ。いくら小食の私でも、これなら1.5杯はいける。
 2杯目は半分でお願いしたところ、まるまる1杯盛ってきた。それそれで構わないのだが、驚いたのは器を新しいものに交換しているという点だった。

 麻婆豆腐の場合、たいていはご飯の上にぶっ掛けて食べるから、茶碗が汚くなるんだよね。
 その茶碗を差し出してお代わりをお願いすると、多くの場合、そのままご飯を注ぎ足してくるのだが、この店のような出し方は珍しいのではないか。

 これで630円なんて、素敵過ぎる。


 食後の杏仁豆腐。余計な缶詰フルーツは無し! しかも寒天タイプではなくフワトロ! これもなかなか美味しかった。


 こうして普段あまり縁のない食べ放題店、フカヒレ専門店を連続で回ってきたのだが、意外な発見もあってかなり楽しいランチとなった。
 毎日、中華街に行こうと思えば行ける環境にいるため、なかなかこのテの店には用がない。したがって、ついつい後回しになってしまう。
 でも、食べず嫌いはよくないと思い、ランチにでかけた次第。

 週末中華の教授もこんなことやっているので、最後にご紹介しておこう。
 食べ放題を征く……すごいレポートです!

 お忙しい中、ご清聴ありがとうございました。


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2 コメント

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廣翔記グループ (本須)
2009-12-03 07:50:58
お、力作ですね。
毎日だと3日でリサーチが終わるのでいいですね。
毎週だと約1ヶ月の作業になってしまいます。

ところで、廣翔記グループは実は4店舗目がありますよ。
私は1ヶ月くらい見逃していて、先日やっと気づきました。
返信する
麺王翔記 (管理人)
2009-12-03 08:33:52
◆本須さん
これでしょ。
私も最近気がつきました。
まだ入ってはいませんが。
返信する

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