風邪を引いてしまいました。連休明けの初お仕事で、シネマート六本木の試写室で2本作品を見せていただき、帰ってきたら喉の痛みと熱っぽさがじわじわと。朝、気温が低かったので、用心して暖かくして行ったのに....。風邪薬を飲んだら今度はヘロヘロ状態になってしまい、我が身を持て余していますが、とりあえず今日見せていただいたうちの1本を簡単にご紹介しておきます。
『ダライ・ラマ14世』 公式サイト
2014年/日本/カラー/ドキュメンタリー/116分
監督・構成・編集:光石富士朗
企画:薄井一議、薄井大還
撮影:薄井一議、薄井大還、光石富士朗、吉田裕
特別協力:ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
製作・配給:ブエノスフィルム
※5月30日(土)より、ユーロスペース他にて全国順次公開
ダライ・ラマ法王14世に密着したドキュメンタリー!映画『ダライ・ラマ14世』予告編
下のチラシのキャッチコピーにあるように、「誰も知らないダライ・ラマの舞台裏」を見せていくのがこの作品ですが、そもそものきっかけは、企画に名前がある写真家の薄井大還が1991年12月にダライ・ラマのポートレートを撮ったこと。「世界平和に貢献する人々」の写真をライフワークとしていた薄井大還は、やっと希望が通り、ダラムサラに行ってダライ・ラマの写真を撮ることができたのでした。
そして16年後の2007年、ダライ・ラマの来日に際して、オフィシャルの写真とムービーを撮ってほしい、という依頼がダライ・ラマ法王日本代表部事務所から薄井大還のもとに寄せられます。この時薄井大還は、息子の薄井一議をムービー撮影担当者に指名、その後ダライ・ラマが来日するたびに、2人はスチールカメラとムービーカメラを手に、一行に同行することになります。それが今回のドキュメンタリーに結実するわけですが、薄井大還はダライ・ラマに関する本や写真集などもすでにたくさん出版しています。
映画の中では、最初ガチガチに緊張していた薄井一議のカメラに写る、お茶目なダライ・ラマが紹介されます。近づくカメラに対して、手をニギニギして見せたり、待ち受ける人々の間に子供がいたら相手になったり。振る舞いもひょうきんなら、言葉もひょうきんです。
ある時は、訪ねてきたチベット人留学生たちに気さくな態度で接して感激させ、チベット服を着た楚々とした女子学生たちと握手する時にひょいと、「その髪、いつ染めたの? 日本で? それともインド?」と尋ねたりします。みんな、まっすぐな髪をブリーチしていたのです。あせった学生たちがうろたえていると、今度は「いいんだよ。チベットの心を持っていれば、髪は赤でも黄色でも構わないさ」と見事なフォロー。こんな感じで時折ユーモアを交えながら、ダライ・ラマの姿が画面に焼き付けられていきます。
そして薄井は、ダライ・ラマと人々とのQ&Aから次のことを疑問に思うようになります。それは、ダライ・ラマが質問に対し、「I don't know」と答えることがしばしばあることです。一見無責任な答のようですが、それがどういう時に発せられるのかを薄井は考え、分析します。また、道行く日本人から、ダライ・ラマに対する質問を発してもらう、という試みも行います。これも新しい切り口です。
後者の質問は、100人100様の問いが発せられ、中にはちょっとどうかと思うような質問も。予告編にも出てきますが、「もし髪の毛があったら、どんな髪型にしたいですか?」のような質問は一笑に付してもいいようなものですが、ダライ・ラマはこれにもユーモアたっぷりに答えます。そんな風に、ダライ・ラマのパフォーマンスを楽しみつつ、間に挟まれるチベット動乱の時の映像や、亡命政権が存在するインドのダラムサラでの撮影で、チベット問題への理解も広がるドキュメンタリーです。いろんな意味で、興味深い作品でした。
ナレーションの冒頭、「僕は今、ラダックという町にいます」と事実と違うことをナレーターの柄本佑が読み上げ、ちょっとギョッとしましたが(ラダックという「町」はありません、地方の名前です※)、そういった1、2点を除けば、ダライ・ラマを知るには最適のドキュメンタリー映画です。このエネルギー溢れる人物から、見ているこちらにもパワーが伝わって来る感じがします。ダライ・ラマ法王、長生きして下さることを願わずにはいられません。
※追記@5月13日
この記事をアップしましたら、宣伝担当の方がちゃんと見ていて下さって、本日、「プロデューサーや監督と相談しまして、ナレーションを変更することになりました」というご連絡が来ました。すごく誠実なご対応ですねー。台本が変更になるということは、ナレーションの柄本佑にもう一度依頼し、スタジオを確保し、録音技師の手配をして....と大変な出費をお願いすることになってしまったのですが、事実誤認がなくなってありがたいです。皆様がご覧になる時には、問題のない新ヴァージョンになっていますので、柄本佑の若々しい声と共にぜひお楽しみ下さいね。
今日のブログに書いたように、風邪は悪化の一途を辿っております....。
でも、5月22日の直前でなくてよかった!
それまでにはきれいに治しておきますね。
その前に大学の授業があるので、しゃべらない授業方法を考案中です。これを機に、パワポ・デビューなるか?!
とりあえず、学生の皆さんにうつさないようにしなければ、です。
お仕事もあり、ゆっくり体休めることができないとは思いますが、一日も早く回復されることをお祈りしていますね!
ダライ・ラマ14世さん、私からみたら雲の上の人のようなお方ですが、予告編を見て、私たちと同じ目線で腰の低いお方なんだと思いました。
このような姿勢が、皆さんに愛される理由なんですね。
もうすぐcinetamaさんにお会いできるので、ワクワクしています♪
お話し聞けるの楽しみにしていますね(^^)