りゅういちの心象風景現像所

これでもきままな日記のつもり

長谷川潔展

2011-05-06 22:50:55 |  Angelique
長谷川潔の画業はいま随分と注目されているようです。すでに評価の確立した大家として認められているけれど、最近またあちこちでその名を耳にすることが増えました。
もう十年ちょっと前のことになると思うけど、横浜に生まれたゆかりの深い作家として、横浜美術館が精力的に作品をコレクションしていて、その成果をもって大々的に回顧展を開いたことがありました。僕らはそのときに長谷川潔という人の仕事を初めて目にしました。
以来、ずっと気になる作家の一人になっていて。



その時は「マニエール・ノワールを復活させた」という功績が全面に押し出された回顧展だったけれど、静謐な「黒の世界」があるおかげか、逆に明るい画面の作品が際立つように感じられました。そういう感覚を覚えたのは僕だけではないのでは?
数年後、とある画廊で長谷川作品を目にするチャンスに恵まれて、そのときに確信的な強さで印象に残った作品があって。それが「2つのアネモネ」。僕にとっては「マニエール・ノワールの巨匠」であると同時に、「2つのアネモネ」の作家さんなのです。

春先、ようやく周囲に目を向けられるようになったころに横浜美術館で展覧会があるという話を聞いて、楽しみに待っていて、先週土曜にさっそく出かけてきたのでした。
名だたる名作が一堂に会する様子はそれだけでも一見の価値ありですが、自分の中に作品と響き合う何かを発見できるなら、幸せですよね。



「一樹」(ニレの木)は、このごろ僕が探していることを教えてくれているような気がして、長く絵の前から離れることができませんでした。

本当に密度の濃い展覧会です。
会期中にチャンスを見つけてもう一度来なければ!と思ったのでした。








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