りゅういちの心象風景現像所

これでもきままな日記のつもり

窓越しに

2011-09-23 03:14:57 | 阿豆麻波夜





夜になって、一気に涼しくなってきました。
暑いのには本当にうんざりしているので、ようやく秋らしくなりそうな空気に、だれかれかまわずつかまえて「おつかれさまでした~」と言いたくなります。
今年の猛暑は暑さだけの問題ではなかったですし。道行く人のだれもがなんらかのカタチで節電に協力をしていたはずで。逼迫した電力事情を背中に感じながら、みんなが暑さと向き合っていたのだなぁと思えば、「おつかれさまです」のひとことが自然と口にのぼってくるというものです。

それにしても、涼しさと引き換えというには、台風15号の被害は大きすぎますね。
近所の淵野辺公園を歩いてみると、大きな枝がへし折られていました。
夜に通りがかっただけなのですが、目に見えたことは写しておこうかと。。。あたりはもちろん暗いので、実をいえば近所の公園にどれくらいの被害があったかもよく分からないのですけど。。。パッと見ただけでも、これほど荒れている公園ははじめてです。以前、落雷のせいで時計が止まったまんま、なんてこともありましたけど、その時でもこれほど荒れてはいなかった。先日の風の凄まじさを思い出します。
大きな被害はなかったはずの場所でもこれだけ荒れているのですから、直撃を喰らってしまったところではいったいどんなになっているのかと。
ニュースでは派手な被害の映像がオンパレードで、ややもするとすぐに視覚が麻痺したようになってしまうのだけど。。。普段眺めている景色が荒らされているのを見ると、台風15号の凄まじさがようやくリアルにわかったようになって、いまさらながらにショックです。



東日本大震災からこっち、自然の猛威を感じないで過ごせる季節なんてなかったように思います。
地震については、それまでは専門家だけが知っていたような過去の大地震の記録のことなども最近ではたくさんの人に知られるようになっていて、たまに会った人から「貞観の大地震では。。。」なんて話を聞かされることもあります。1000年前の地震や火山の噴火のことが、これほどまでに人々の間で切実さを持って語られることなんて、いままであっただろうか?と、驚くのですが、そう言っている僕にしても「ふむふむ」と。。。話を受け入れる下地みたいなものは出来上がりつつある。「こないだまで、全然知らなかったくせに」と、自分で突っ込んでみたり。

そうやって「過去の自然災害」のことを考える機会が増えてきているのですが、たいていはネット経由での情報がベース。自分自身でそういう記録に触れてみたことはありません。地震のことが書かれている古典や古文書の類いにどんなものがあるのかも、よくは知らない。。。鴨長明がちらっと書いていたりとか?あったような気がする。

それでふと「和歌」に残されていたりっていうことはないのだろうか?と思った。
地震などはともかくとしても、台風だったらいつの時代でもやってくるでしょう?
例えば万葉集とかに、台風のことを織り込んで歌ったものはないのだろうか?
でも、僕が(ザッと)調べた限りでは、そういう歌はまったくみつかりませんでした。
まぁ、そうですよね。そもそも、編纂の目的が別のところにあるのだから。

「あらし」を詠み込んだ歌なら、いくつかあります。けれど、それはたいてい「春の嵐」とかで。。。
しかも、ほとんどすべてが恋の歌だったりします。



   窓超尓 月臨照而 足桧乃 下風吹夜者 公乎之其念

   窓越しに月おし照りてあしひきのあらし吹く夜は君をしぞ思ふ



いくつかあるなかで、僕はこれが妙に気に入ってしまったのですけど、所期の目的からはだいぶずれてしまいました。

でも、なんと言っていいかはわからないんですけど、「あらし」の歌を読んでいるうちに、だんだん「これで正解なんじゃないか?」って思えるようになってきました。

   なにが起ころうと、誰かを思って生き続けた。

そのことを伝えるために、たくさんの和歌が集められ、「万葉集」は編纂された。
そういう思いを遺すためだけに、伝えられてきたように思えてきたのです。

だから、悲劇をただ嘆き悲しむような和歌ならば、それは万葉集が目指していたものとは違う。
家持が採用するはずはない。。。のではないかと。

どうも、今夜は想像もえらく飛躍してしまうなぁ~。


話は拡げられそうなんだけど、なんだか頭の方が収拾つかなくなってきたので、
今回はこのあたりで終わりにしときます。






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Untitled #204 | トップ | 梨の実 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。