本当に久しぶりという感じで、ある町を歩いた。
県内だし、なんならそこは相模原の隣りとも言えるところなのだけど、
今まではクルマで寄ることがほとんどなかった。
でも二十数年前は、さっちゃんとふたりでこの町を本当によく歩いた。
よくよく眺めてみれば、懐かしいプラネタリウムもある。
ほとんど毎日のように覗いていた本屋さんも健在。
だけど、歩きはじめてしばらくは、まるで見覚えのない街のようで。
手がかりさえ見いだせないほど変わってしまったように見えて、
時の流れの容赦のなさにうろたえた。。。
と、さっちゃんが「あった!」とひときわ大きな声をあげる?!
見ると、ホントだ!
思い出の喫茶店がちゃんとそこにある!
これはうれしい驚きだ。
少ないながらすでに先客がいて、笑い声のひびく店内に
そーっとお邪魔する。
新しい木の香りが印象的だったお店は。。。
過ぎた時間の長さを思わずにはいられないほど、
いい感じに渋い色に変わっていた(^ω^ゞ
僕らはオムライスとコーヒーのセットを注文する。
この喫茶店こそ、紛れもなく僕らの思い出のお店なのだが、
明るく新しい印象からはだいぶ遠ざかってしまっている。
それでも、そのカウンター席で交わした話を今でもはっきりと思い出せる。
「今日はここに来てよかった♪」
そう満足げなさっちゃんの顔を見れば、僕に不服などない。
まったく変わってしまったように見えたこの町だが、
そう思うと前を楽しそうに歩いている若いふたりは
若かった頃の僕らなんじゃないか?って思えたりもする。