丹沢の山で育った僕には幼い頃から馴染んでいる河原の風景がある。
中学生の時に、その風景の色の一部はグリーンタフと呼ばれる
独特な凝灰岩であることを知った。
一部がわかると、それでは他の石は?となる。
当時はその問いに明解な答えは与えられなかった。
それから随分と時間が過ぎて。
あの馴染み深い河原の風景についてはかなり解明されている。
魚を追いかけ回して石の下に追い込み、
手探りで捕まえたりした、記憶の中のあの石は、
実は小笠原あたりの珊瑚が石化したものだったとか。
僕らが寝っ転がっていたあの大岩は、やはり小笠原の海の底で海底火山から吹き出した溶岩だったりとか。
この頃では実に様々なことが解明されつつある。
このことは単に「丹沢の風景」にとどまらない。
「小石」というタイトルの本を手にとった。
「小石、地球の来歴を語る」。
原題は「THE PLANET IN A PEBBLE」。
ヤン・ザラシーヴィッチという地質学、古生物学の研究者。
ウィリアム・ブレイクの「一粒の砂に世界を見る」を地で行くこの本は、
たしかに「小石」を巡って語られているのだが、その壮大なスケールにわくわくさせられる。
そして、どういうわけか、縁もゆかりもないはずのウェールズの海辺が
丹沢の小さな河原の景色と重なる。
中学生だったあの当時の僕が聞きたかったことは、きっとこんなストーリーだったんだ!
ぼんやりとしたイメージでしかなかったことが、
どんどんクリアになっていく感覚が爽快な一冊。
と同時に、子供の疑問に応えるっていうのは、これでなかなか難しいものなのだな、
とも、思った。
こうした質の問いを押し進めていける原動力を内に秘めている、
それこそが研究者に欠くべからざる資質と言うべきか。
いや。
僕はこの「小石」について語る一冊が大好きなのだと、それだけを言いたいだけなのだ。
中学生の時に、その風景の色の一部はグリーンタフと呼ばれる
独特な凝灰岩であることを知った。
一部がわかると、それでは他の石は?となる。
当時はその問いに明解な答えは与えられなかった。
それから随分と時間が過ぎて。
あの馴染み深い河原の風景についてはかなり解明されている。
魚を追いかけ回して石の下に追い込み、
手探りで捕まえたりした、記憶の中のあの石は、
実は小笠原あたりの珊瑚が石化したものだったとか。
僕らが寝っ転がっていたあの大岩は、やはり小笠原の海の底で海底火山から吹き出した溶岩だったりとか。
この頃では実に様々なことが解明されつつある。
このことは単に「丹沢の風景」にとどまらない。
「小石」というタイトルの本を手にとった。
「小石、地球の来歴を語る」。
原題は「THE PLANET IN A PEBBLE」。
ヤン・ザラシーヴィッチという地質学、古生物学の研究者。
ウィリアム・ブレイクの「一粒の砂に世界を見る」を地で行くこの本は、
たしかに「小石」を巡って語られているのだが、その壮大なスケールにわくわくさせられる。
そして、どういうわけか、縁もゆかりもないはずのウェールズの海辺が
丹沢の小さな河原の景色と重なる。
中学生だったあの当時の僕が聞きたかったことは、きっとこんなストーリーだったんだ!
ぼんやりとしたイメージでしかなかったことが、
どんどんクリアになっていく感覚が爽快な一冊。
と同時に、子供の疑問に応えるっていうのは、これでなかなか難しいものなのだな、
とも、思った。
こうした質の問いを押し進めていける原動力を内に秘めている、
それこそが研究者に欠くべからざる資質と言うべきか。
いや。
僕はこの「小石」について語る一冊が大好きなのだと、それだけを言いたいだけなのだ。