りゅういちの心象風景現像所

これでもきままな日記のつもり

小澤さん

2024-02-15 04:00:55 |  音 楽 
小澤さんと会ったことがあるっていう人は、きっと世界中にものすごくたくさんいらっしゃるのだろうなぁ(*´ω`*)と思う。
常に第一線を走り続けた名指揮者であると同時に、どこか教育者としてやるべきことを自らに課されていたような。「小澤さんの指揮」に直接接したことがあるという、心の底からうらやましい経験を持っている人の話を何度も聞いたことがある。
いちリスナーとして人後に落ちるものではないけれど、小澤さんと現場を踏んだ人たちのことは、どこまでもうらやましい(^o^;)

とにかく、圧倒的な仕事量、そして強靭な精神力、驚くべきタフネス。超人的仕事ぶりには呆れるばかりだが、訃報に接して思い出したことは、成城学園前駅の改札でご家族とハグされていたときのお顔だった。

まだ古い駅舎が現役だった頃。
改札口の工事中で、駅そのものがなんだか落ち着かない雰囲気。そこに、不意にスポットライトがあたっているような、そこだけがまるで光り輝いているかのような場が突然開けた。
輝きの真ん中に小澤さんと娘さんがいた。
美しかった。工事中の改札口があんなに美しく見えるだなんて。
僕に限らず、周囲にいた方々も見とれていたように思う。
娘さんとの抱擁。別れ際、何かの言葉をかける。
時間はそんなに長いものではない。
小澤さんはそれからスッと改札を通り抜け、駅構内に消えていく。

小澤さんを駅前で見かけた。
これが僕にとって特別な小澤体験になった。
あの人がいたというだけで、改札口までもが美しく見えてしまうことの不思議と幸運。

小澤さんの音楽には、言葉通りの意味で、何度救ってもらったかわからない。
僕の、どうしようもなく惨めな気持ちを、何度すくい上げてくれたか知れない。
音源を鳴らせば、そこに音楽家のみなさんが創り上げた音楽が鳴り響くのだが、いつだってその中心に小澤さんがいる。
そして、僕はあの改札口を美しい景色に変えてしまった小澤さんを思い出す。
世界中にあなたの音楽に救われたたくさんのリスナーがいるはず。僕は、紛れもなく、その内のひとりです。
本当に感謝しています。

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