無事に全員が登頂に成功するものの、登山は山を下りるまでが「登山」
足元の悪い山道を、注意深く、でも楽しく下りていく。
4班の登りは比較的静かだったけれど、下山はやおら元気になった。
小4の男子NARと女子のROKが、歌い始める。
♪あるーひ、やまのなか、くまさんと、であーった・・・
二人が替え歌を歌いはじめる。
しばしばも替え歌に参加。
NARも、ROKも登場する内容に、ゲラゲラ笑ったり、ブーブー文句を言ったり。
NARは、比較的クールに構えるところがあるのだけれども、ノッテくるとよくしゃべるし面白いことを言い始める。
あんまりしゃべらない子どもとは、ボクの方からちょっかいを出すことにしている。
そうでもしないと、いつも賑やかな連中ばかりと時間を過ごすことになってしまう。
しゃべらない子どもは、違う形でコミュニケーションをとりたがっている。
どんな子どもも、話したいことは、心の中に山ほどたまっている。
それを、半ば強引に引っ張り出してあげると、その子のユニークさがキラキラ輝き始めてくる。
その時々で、主人公にしてあげることで、子どもたちはお互いを認め合い始めるのだ。
山道を歩く、危ない場所で声をかけ合う、木に触る、歌を歌う。
大自然の中に身を置くことは、ただ道を歩くのとは違う、「何か」がある。
子どもなりに抱えている、心の中の憂さを、大自然はこうやって受け止めてくれる。
少し遅くなったけれども、全員が無事に銅像の広場に到着。
「山に登るって決めたのは?」
「ジブーン!」
「はい、自分で決めたことをやりました。自分を承認してあげよう!」
パチパチパチ。
グロースセミナーは、ただ実習をやるキャンプではない。
実習をやること以上に、そのプロセスやふり返りを大切にする。
何かをやり遂げることも大切なんだけれども、それだけじゃないってこと。
その「それだけじゃないってこと」は、見えにくいことだからこそ、子どもたちに感じてほしいし気づいてほしい。
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