倒産回避コンサルタントからの救命ロープ

倒産回避コンサルタント・中逵努のブログです。
恩師村松謙一弁護士ご本人のブログではないことを予めご了解ください。

連鎖倒産回避方法7

2009年01月08日 | 企業再建について
緊急報告
わが恩師の村松謙一弁護士が出演された
「プロフェッショナル 仕事の流儀」が
1月27日にNHKで再放送決定! 
~どん底の会社よ、よみがえれ~
末期ガン企業をも救う再建弁護士の人間愛溢れるドキュメント


コラムの著作権は村松弁護士本人に帰属します。
このブログ以外での引用等は固くお断りいたします。


日刊帝国ニュース 1999年10月4日
弁護士ウォッチング  弁護士 村松謙一

私が一番着目する箇所は、長期、短期合計借入金の推移と売上高の
比較である。

1)借入金の月商倍率
例えば、売上金に対し、長・短期合計借入金の額が10ヶ月分を
越えているようだと、倒産の可能性が高くなる。

2)過剰返済
税引き後当期利益と、減価償却費の合計額が500万円として、
その年の実返済額が2000万円であったとしたなら(例えば
前年借入残高合計9億円、本年借入残高合計8億8000万円)、
以下の点を推論してみる必要がある。

ア、預貯金を1500万円取り崩しているか、
イ、社長貸付として1500万円が新たに加わったか、
ウ、一部の取引先に対し、未払金1500万円を計上したか、
いずれにせよ、過剰返済のしわ寄せがいずれやってきて、
資金繰り倒産の危険を含んでいるとか、
エ、逆に、その年の実返済額は500万円なのに、新規の
借り入れが増加しているなら、金融機関からの借り換え、
手形の切り替えで返済を調整しており、万一、金融機関との
関係が壊れた場合は、直ちに返済を迫られ、同じく資金ショートに
陥る危険性が高い、等々が分かるはずである。

それにより、見かけ上は、売上高や社歴などで立派に見える会社で
あっても、その内実は相当に苦しいだろうな、火の車ではないかと
いうことを考えて取引に臨めるものである。

3.売掛金などの債権を担保化しておく
例えば、先に納品して、後日売掛金を請求する場合などは、
そのままでは、一般債権の扱いとなり、破産などでは、ほとんど
配当が見込めない。

1)所有権留保
本来なら、取引に入る前に「基本取引契約書」を作成して、万一の
場合の優先弁済や商品の返品を特約として明確に記載しておくことが
肝要であるが、やはり力関係上、契約書の取り交わしができない
場合も多数存在する。

そこで、せめて納品書や注文書などに印刷文字で、「本品の代金が
支払われるまでは、本品の所有権は当社にあるものとします」と
記入し、受取主の署名、捺印をもらって、その承諾の証としておく
のも一つの方法である。
私が関与した再生手続きでは、店頭商品につき、「売上仕入方式」を
とり、仕入商品を確保した経験がある。

2)契約の失効、返品処理
「破産や不渡りの場合は、本契約は当然に失効し、所有権留保の
商品は直ちに返品します(取り戻します)。又、当方も貴社
(破産会社)に対し、当社に商品が返品されるため、当該商品代金の
請求はしません。」などの奥書を記しておくと、万一の場合、現品の
取り戻しに効力を発揮する。

~ 次回に続く ~
コメント
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