中谷 勇 元 山形大学理学部生物学科教授
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今年もスギ花粉飛散の季節になりました。
30年以上前の事ですが、私は年々スギ花粉症の症状が重くなっていました。そのようなある年の3月末から4月始めにかけ、台湾へ調査(スギ花粉とは無関係)に行きました。出国前は、目が開けておれない程かゆく、頭は重く、過去に経験した事がない重い症状でした。
当時、台湾は雨季で湿度が高かった。スギ花粉はなく、台湾滞在中に花粉症の症状は薄らぎ、1週間位の滞在で帰国時は、症状は完全に消えていました。
帰国すると山形市内の花粉飛散量は出国時の10倍以上でした(当時は、前日の飛散量が新聞に載っていた)がその後、そのシーズン中は全くスギ花粉症が 表れませんでした。
翌年もスギ花粉症に悩まされました。台湾の事を思い出し、研究室内の湿度を上げてみたら症状が軽くなりました。
それから何年か後、3月末から4月始めにかけ休暇をとり、ハワイやベトナムへ家内と5~6泊の旅行に何度か行きました。毎年、家内は私以上にスギ花粉症で悩やんでいました。
出国時、仙台空港までの車内で2人とも花粉症で大変でした。帰国後は、花粉の飛散量が増えていたが、2人とも全く症状は現れませんでした。皆さんもこのような経験があるのではないでしょうか。
スギ花粉症が重くなったら病院へ行くより、格安の旅行をみつけて南国へ旅行するのは一石二鳥の楽しみかと思います。スギ花粉の季節に北海道北部(私の出身地)など杉が自生していない地域へ行った事はないから、杉が無い地域へ行くのが良いのか、暖かい地域へ行くのが良いはわかりません。
ご注意: 室内の湿度を上げるとスギ花粉症は軽減しますが、カビが生えないよう十分ご注意ください。カビはスギ花粉以上に恐ろしいです。
マスクをかけると花粉を吸わないなどと言う事はないでしょうが、呼気から失われる水分が少なくなるから湿度を上げたのと同様の効果があり、症状が軽減されると考えております。スギ花粉症に悩む場合は、家の中でもマスクをかけると症状が少し軽くなるでしょう。スギ花粉の季節は、湿度が低いからマスクで、呼気で体内から吐き出す水分を少なくするとよいでしょう。