夜泣きは適切な対策で簡単に治すことができる--理学博士の夜泣き対策--

夜泣きには明確な原因があります。原因はお母さんの生活習慣、育児の仕方などであり、赤ちゃんや幼児にはありません。

殻がスルッと剥けないゆで卵は何故か

2019-04-19 08:49:29 | 生活の知恵

   中谷 勇  元山形大学理学部生物学科教授
     is-nakatani@nifty.com 

 ゆで卵の殻を剥く時、殻が剥がれなく、いらいらした経験がおありではないでしょうか。
 なぜ殻がスルッと剥けないのでしょうか。卵(鶏卵)に熱をかけると卵内は、水分が膨張して圧が高くなり、水分は卵外へ押し出されます。水が押し出されてもゆで卵にする時、その様子を見れません。

 卵を水に入れないで、電子レンジに300ワット、1分30秒程かけると卵の表面全体に水滴が流れ落ちる程、付くのが見れます。この水分は、卵内から押し出されたのです。これは、卵の内部から水分が外へ出るのを目で確かめるためであり、半熟卵は茹でて作ったほうがよいです。

 卵を茹でる時間が長過ぎると卵外へ出る水分量が多く、卵の薄皮と白身とが密着して剥がれなくなります。これを避けるには、沸騰しているお湯に卵を入れて、時間を計って茹で過ぎにならないようにするとよいです。卵をお湯に入れる時は、やけどをしないようにシャモジなどで入れましょう。茹でる丁度良い時間は、茹でる前の卵の温度によって違います。先ず、7~8分間茹でてみて様子を見て、必要に応じて30秒間位ずつ時間を変えて、お好みの茹で卵になる最短時間を知るとよいです。茹で上がったらすぐ、卵を冷水に入れます。水で冷えると卵内は陰圧になるから水が卵内に吸い込まれます。
 生卵を冷蔵庫内や室内に置いていても絶えず卵内の水分は、ごくわずかであるが蒸発しています。長期間保存し、産卵後かなり日数が経っている卵は、茹で卵にすると殻が剥きづらくなります。
 スーパーなどで格安で売っている卵は、産卵後かなりの日数が経っているから半熟卵でも殻がスルッと剥けない事があります。産卵後、日数がかなり経っている卵は、黄身が偏って殻に接近しています。新しい卵の黄身は、白身の中央にあります。
 写真は、卵内の水分が卵外へ出るのを可視化するため水に入れないで直接、電子レンジにかけたものです。

 茹で上がったら、すぐに殻にヒビを入れ、すぐ冷水に入れると水が卵内に入り、殻はスルッと剥くことができます。自分で食べる、または料理に使うのであればこれでよいが、茹で卵を人にあげる時などは、上述のやりかたがよいでしょう。

 卵の表面全体がぐっしょり濡れていますが、写真ではその様子は分かりません。

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偽ハチミツに関して

2017-05-02 10:56:21 | 生活の知恵

  中谷 勇  元山形大学理学部生物学科教授

 私は、父が蜜蜂を飼っていたので純粋のハチミツがどのようなものであるか知っています。純粋と思われそうなハチミツをいろいろ買って試したが、全て偽(水飴などの混ぜ物)でした。冷凍庫に入れて冷やすと白色になって固まるのもあった。バターを冷蔵庫で冷やしたのと同様に硬く均一に固まった。

純粋のハチミツの特徴
・冬に冷えて白い結晶ができてもハチミツ全体は固くならない。一見するとバターのように均一に固まったようでも、よく見るとそうでない。個々の結晶は小さな粒でその表面は結晶化していない蜜で潤っている。そのため容器を傾けると垂れる。
・室温に長年放置しても変色・変質しない。

冷えて固まっても流動性
 ミツバチが採蜜し貯蔵するのは子を育てるためと冬など採蜜できないときの餌のためであり人間のためではない。

冬に冷えてハチミツが結晶化したら
 ハチミツがほぼ完全に結晶化したようになっても蜂は結晶粒の表面を潤している蜜を吸って飲める。蜂は、バターのように均一に固まるとハチミツは吸えない。
 注)蜜蜂は冬眠しないから冬には餌として蜜が必要。養蜂家は秋に採蜜すると冬期間の蜜蜂の餌として砂糖を溶かしたのを巣箱に入れる。

偽ハチミツを冷凍庫で冷やすと
 多くの偽ハチミツは白色にならないで硬くなり、箸を突き刺そうとしても硬くて刺さらない。このように、冬に冷えて均一に硬くなると蜂は吸う事ができない。

ハチミツが冷えると結晶化するのは何故か
 冷えて結晶化するのには重要な意味がある。それは巣箱内の温度調節である。ハチミツが結晶になる時は熱を放出し、結晶が融ける時は熱を吸収する。巣箱内にハチミツが沢山あると冬期間の寒さが和らぎ、夏は暑さが和らぐ。
注)ほぼ完全に結晶化したハチミツ、ある程度量が多いと室温に放置しても夏の間に結晶が徐々に融けるが、すべて解けることはない。

賞味期限が記載されているのは偽ハチミツ
 たまたま冷蔵庫にあったハチミツのビンに賞味期限が記されていた。純粋のハチミツに賞味期限など関係ない。
 父は若い時、副業として蜜蜂を飼っていた。そのため家にはかなり多量のハチミツがあった。父は戦争で召集され終戦後は捕虜になり5年間帰ってこなかった。その間も家のハチミツは全く変質も変色もしなかった。

店などで売っているのはすべて偽
 純粋のハチミツは養蜂家が採蜜している最に、その場で買わない限り入手できない。売ってくれるかどうかは疑問である。

養蜂家が地元で販売しているのも偽
 インターネットで、「養蜂家が地元の店に出しているのは本物、偽がばれると信用をおとすから・・」と記載しているのを観たが、私は地元の何種類かを試したり、店で様子を見たがすべて偽であった。私の家の近くにも養蜂業を営んでいる人がいて、蜂蜜を近くの温泉の売店で売っている。それも白い結晶ができるが、よく見ると様子があやしい。
 「養蜂家が地元の店に出しているのは本物、偽がばれると信用をおとすから」などと言っても地元の人でも養蜂に直接係わった事がなければ、本物を見抜くことなど出来るはずがない。インターネットの無責任な記載も信用するべきでない。

ハチミツの色
 蜂が訪花する花の種類によってハチミツの色は異なる。シナ蜜は金色、クローバの蜜は黒色、ソバの蜜はクローバの蜜よりも濃い黒色。

偽ハチミツを無くすためには
 ハチミツの生産量にくらべて消費量が圧倒的に多いから偽ハチミツが出回るのでしょう。
 水飴などの混ぜ物を「純粋ハチミツ」などと偽らず、例えば「水飴80%、添加物・・・」と表示するべきです。冷やすと白く均一に固まるものや室温に1、2年間置いておくと変色するのは、何を加えているのか恐ろしい。本物のように見せる必要はない。この場合は、賞味期限を明記するとよい。多くの消費者は、蜂蜜の消費量より生産量のほうが少ないことは理解できるでしょう。
 本物の蜂蜜の事を知らない人は、インターネットに蜂蜜の事を何が記載されていても、その真偽を見分ける事は不可能ではないでしょうか。インターネットに記載する人も本当の蜂蜜の事は知らないでしょう。

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