というより暦の上では既に秋。
皆さまお盆はどの様に過ごされましたでしょうか。
御先祖さまのお墓参りはされましたか?
連休を取られ遠出された方も多くいらっしゃる事と思います。
2009の夏はもう二度と戻りません。
皆さまの心の絵日記にはどんな出来事が描かれている事でしょうか。
ちょっぴり気になるMARIKAです。
このたびは連休を頂きありがとうございました。
有意義に過ごさせて頂きました。心より感謝申し上げます。
ところでこの季節になりますと、毎年この本を読み返します。
梯久美子 著
「散るぞ悲しき」新潮社
「硫黄島からの手紙」という映画をご存知の方は多いと思います。
クリント・イーストウッド監督の映画でつい先日テレビでも放送されたばかりですね。
太平洋戦争下、本土を死守する為に、5日で落ちると言われた硫黄島を36日間も持ちこたえたという壮絶な持久戦はあまりにも有名です。
その硫黄島に送られた日本の兵士はおよそ2万人。
対する米軍はなんと6万人。更には10万とも言える支援部隊を後方に連れていました。
この硫黄島に配属された兵士たち…
日本軍には初めから勝ち目は毛頭無く、大本営(日本軍の最高司令部)からはただ持ちこたえろとしか言われず、なのに戦車も兵器も戦闘機も武器も薬も食料さえも…何の支援も無い中で戦い抜いた、もの凄い人たちです。
信じられないの一言です。
この本には、映画では描かれていないこの戦いの背景や、硫黄島総指揮官である
栗林忠道中将という人物の人となりを、事細かに描かれています。
何度も言う様ですが、彼は初めから負け(死)が分かっていて送られています。
硫黄島という位ですので島中に硫黄ガスが充満、川はなく井戸を掘っても出てくるのは硫黄分の多い塩水のみ。汚染された雨水を貯え生存可能なギリギリのライフラインの中で戦ったのです。
その栗林中将が戦火のさなか本土に残した愛する家族に宛てた手紙が41通残されているそうです。
世界の戦史に残る壮絶な戦いを指揮した軍人栗林中将が書いた手紙の内容は…
「お勝手の床板の隙間は塞げたであろうか?床下から吹き上げる風で冷え込む話はいつも聞かされ、何とかしてやるつもりでいて、ついそのまま出征してしまったので、今もって気がかりであるから太郎(息子)にでもさっそくやらせるがよい。」
自分が今にも攻撃を受け死ぬかもしれない状況下で家族の安否を…しかもお勝手のすきま風レベルの事を気にかけていたのだと思うと、涙がこみ上げてきます。
おっと
ついついエキサイトしてしまいましたが、機会があればぜひこの本を読んでみて下さい。
今私たちがどれほど恵まれた幸せな生活をしているのかを改めて思い知らされるかもしれません。
何か嫌な事があるたびに、誰かのせいにしたり、すぐトラウマだからと言って逃げたり、その時々で安全で楽な道を選ぼうとするのをやめなきゃなって、顧みるかもしれません。
彼らの事を忘れてはならない。
戦争は絶対にあってはならない。
強くそう思います。
風化しません様に。