Being on the Road ~僕たちは旅の中で生きている~

日常の中にも旅があり、旅の中にも日常がある。僕たちは、いつも旅の途上。

東トルキスタンの青い空/ カシュガル 第3回

2023-01-26 21:44:09 | 旅行

2015年の記録

東トルキスタン最後の訪問からまる3年、正直、行きたくて、行きたくてしょうがないのだが、まだ、ちょっと行けそうにないので、8年前の写真で想いを馳せることにした、第3回。

 

 

まるで映画俳優のような穏やかな老紳士。

 

 

新彊ウイグル自治区は、中国の西方にある。その中でもカシュガルは、西端に位置する。非公式の新彊時間(北京時間-2時間)は、区都ウルムチを基準にしているので、さらに西方のカシュガルは、感覚的には、北京時間-3時間ほど。(北京時間は、日本時間-1時間)

 

 

人民路の北側、エイティーガル寺院の周囲と職人街周辺、それに国際バザール周辺が、カシュガル旧市街になる。

 

 

夕方、エイティーガル広場で、混雑したバスを降りた時だ。「エッ!」、貴重品を入れたサコッシュのチャックが開いている。「まさか?」、見事に旅行資金十数万円の入った封筒が抜き取られていた。パスポートが盗まれなかったことが、不幸中の幸い。今、大騒ぎしたところで、還ってくる確率は、限りなくゼロ。自分でも驚くほど、冷静だった。

 

ひとまずエイティーガル広場のベンチに腰掛ける。財布に残っているのは、千元ほど、帰国するまでのチケットは、購入済なので、銀聯カードの使えるホテルに宿泊できれば、旅行を続けられる。何はともあれ、自業自得、友人に電話したところで、心配されるか、笑われるかである。実際、上海に戻り旅行資金をすられたことを友人に話すと、最初は、真顔で心配され、「上海まで来れば、カードがあるので大丈夫」と伝えると、「ウイグル自治区になんて行くから」と呆れられる始末。

 

 

エイティーガル寺院のクリーム色は、イスラムモスクとしては異例な色使いだが、カシュガルの象徴的な観光名所でもある。

 

 

30分か、1時間ほど、「僕からすった彼らの年収ほどの大金は、どのように使われるのか?」なんて、考えたところで、どうにもならないことを想った。

 

 

何とか気持ちの整理をつけて、旧市街の散策を開始する。ちょっと歩くと、小ぢんまりとしたモスクがあり、建築中の家屋があり、人なつこい子供たちがいる。

 

 

旧市街には、ハンドメイドの金物屋がならぶ。

 

 

店頭に豊富なパンがならんでいる。

 

 

質素な夕食といっても、僕にとっては、ご馳走。ジク・カワープ(羊肉や鶏肉の串焼き)にサムサ(煉瓦の釜で焼く羊肉パイ)。

 

 

【メモ】

最近の“イイとこ取り”の日本の世論に辟易としている。小売価格の値上をしない企業が称賛される。それでいて、「企業は、積極的に仕入価格を値上しろ!」、「賃金をあげろ!」 どう考えたって、帳尻が合わない。

 

企業の内部留保も然りである。日本企業の内部留保は、国際比較でも多いが、それなりの内部留保があったからコロナ禍でも、一定の雇用を守った。もちろん、飲食、観光系などの非正規従業者は、貧乏くじを引かされた。欧米企業のように日本企業は、正社員をフレキシブルに解雇と採用を繰り返せない法的、社会的拘束があり、安定した雇用環境を維持している。GAFAのように日本企業が、正社員をビシバシ解雇でもしようものなら、日本は大混乱になるだろう。賃金が低くても、雇用の安定があるから物騒になったとは言え、まだまだ世界的には治安が良い方なのだ。まぁ、世論なんて、言いたい放題なのかもしれない。

 

 

旅は続く