Being on the Road ~僕たちは旅の中で生きている~

日常の中にも旅があり、旅の中にも日常がある。僕たちは、いつも旅の途上。

美麗的日本和我 (美しい日本と僕)/下野探訪記 第14回

2023-10-09 18:57:29 | 旅行

 

2023年の記録

栃木県内に出張した時の記録、2回分。

 

 

新規に線路を敷設したことで話題の宇都宮ライトレール(LRT)。

構想は1987年(昭和62年)に始まったものだが、具体化したのは2013年(平成25年)。住居、職場、学校の場所をLRTがあることを前提に選定するようにならないとLRTのほんとうの価値評価はできない。評価が定まるのは、5年、10年先のことだろう。

 

居宅も職場も鉄道駅に近くても、その鉄道の運行頻度が高くなければ、クルマ通勤を選択せざるを得ない。クルマ通勤ならば、賃料や地代の高い駅チカに住む意味もなくなる。駅付近の人流が薄いと、商業施設は、駅前でなく、クルマで行くのに便利な郊外のバイパス沿いに立地する。それが、駅付近の人流をさらに薄くする。これが、クルマ社会の現実。

 

開業時のLRTの最大需要は、終点の芳賀町にある本田技研工業とその取引先業従業員の通勤需要。自動車会社の従業員が最大顧客、何とも、皮肉っぽい。

 

 

東京、浦和、宇都宮、福島、仙台、盛岡、青森を貫く東北本線は、北の大動脈、だが、宇都宮以北は、4両編成の完全なローカル線。以前は、湘南新宿ライン、上野東京ラインは、直流区間北端の黒磯まで直通運転があったが、今は、すべて宇都宮止り。宇都宮を跨ぐ人流も薄く、宇都宮以北は、10両編成(小金井以南15両、5両を切り離し増結する) だと、輸送力過剰になるのだろう。

 

 

専業農家の義父が亡くなり、住人不在となった義父宅は、“農業事務所”に。“家業”の農業をどうするか? 向こう2、3年は、親戚の叔父が、耕作してくれるので、気を使うだけだが・・・・・・。(詳細は後述)

 

 

形の悪いピーマン、基本的に味に差はないので、この類の野菜を好きなだけ消費できるのは、農家ならでは。

 

 

JR日光駅舎は1912年(大正元年)8月に落成した2代目のもので、洋風木造2階建。明治時代の面影を残す白亜の木造建築の駅として、「関東の駅百選」に選定されている。

 

 

JR日光駅から200メートルほど離れたところに東武日光駅がある。駅前広場に東武鉄道日光軌道線の100型車両が静態保存されている。

 

正直なところ、「何で、こんなところに路面電車が保存されているのか?」と、不思議に思っていた。冒頭に紹介した宇都宮LRTは、栃木県初の路面電車と思っていたほど、僕は無知だった。ああ、恥ずかしい!日光軌道線の成り立ちを知れば知るほど、自分の無知があからさまになって、「穴があったら入りたい」恥ずかしさ。

 

 

【メモ】

日本の農業の多くが、“事業” としてではなく、“家業”として営まれている。つまり、利益をあげることではなく、継承することが目的になっている。だから9割以上が兼業の零細農家だ。この体制で、グローバルに勝負ができる訳などない。そもそも、継承が目的なので、リスクを採って利益を追求する気概など、さらさらない。国の農政からして、家業の継承、零細経営の型に嵌めようとしている。

 

義父は、1台ウン千万円の農機を5~6台持っている。汎用性の高いトラクターはともかく、コンバインが稼働するのは、稲刈りと麦刈り併せても、3週間にも満たないんじゃないかな。田植え機に至っては、2週間も稼働しない。年間4日しか稼働しない農機もある。それでも、専業で、二毛作(米と麦)をしているからで、兼業ともなれば、さらに稼働率は低くなるだろう。僕のような製造業の人間からすると、信じ難い低稼働率だが、日本の農家では、一般的なことだ。

 

年間数日しか使わないならば、レンタルすれば良いと思うのは、実態を知らない人の発想だ。元々、日本列島は南北に長いので、田植えの時期は、ズレるはずだ。しかし、兼業であるため、無理にゴールデンウィークに田植えをするので、日本全国一斉になる。米国、カナダのように小麦の収穫専業者が、南から北へと移動して収穫作業をする農業ができれば、機械の稼働率は向上し、作業者の仕事量も一定する。それには、農家の大規模化(法人化)が必要になるし、所有者が散在している農地を集約しなくてはならないが、それができないように法律で縛り、兼業農家が、どうにか営農できるような保護をしている。

 

食糧安保の名のもとに補助金をバラまいても、種も肥料も海外依存の日本の農業では、イザと言う時にコメさえ確保できない。それでも、良いのは、日本の田圃が、“票田”になっているからじゃないのか? 蛇足ながら、義父も某政党の末端党員の議員だったからね。

 

 

旅は続く



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6 コメント

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Unknown (Zhen)
2023-10-16 21:00:04
アミさんへ

JRと東武は、あまり仲が良くないようですね。
日光は、完全に別々の駅ですが、並んでいるところも、接続が悪く、明らかに連携していません。それでも、直通運転の列車(JR新宿駅発車の日光号は、東武日光駅着です。)もできましたが、東武の駅で、日光号のキップを買う時は、現金オンリーとかね。

JRと東武の確執は別にして、JR日光駅の駅舎建物は、一見の価値がありますよ。

住宅地にならない田舎の農地(市街化調整区域や田舎すぎる無指定地)の相続者は、農業をする以外の選択がほとんどないんです。ヤレ、ヤレ(笑)

では、また。
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Unknown (アミ)
2023-10-16 07:59:39
日光は子供のころから、始終、行ってました。
地元が蔵前でしたから、もちろん、浅草から東武のロマンスカー。
大人になるまで、JRの日光駅のことなど、知りませんでした。
つい最近、妹と、新宿から日光まで。 JR日光駅を知りました。
さすがですね~。 趣があって、驚きましたよ。
昔の日本は、いい仕事してたんだ…と、思いましたよ。

日本の農業のことは、親せきも、都下の多摩地区で農業を営んでいましたので、悲哀は感じてました。
今は、宅地化の波に飲まれ、畑も何も、住宅地に。
継承者はいません。
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Unknown (Zhen)
2023-10-10 21:03:05
りくすけさんへ

農家に補助金をバラまかれていることを農家は口外しませんからね。知らなくて、当然でしょう。

すでに補助金は、既得権になって、まだ足りないと思っていますよ。物価があがっているのに米の買取価格は、依然として下がり続けていますからね。今の零細では、補助金がなければ、利益どころか、足が出ます。

水田の保水力で、自然災害から国土を守っている一面もありますから。それがすべて電気畑(太陽光発電)になったら山間部は、ほんとうにヤバイと思いますよ。

最近、コメで育てた豚肉のCMがありますが、飼料用の稲作を好き好んで誰がやりますか?義父もやってましたけど、飼料用米を作付けすると補助金が貰えるんですよ。食用のコメより、病害虫に強く、収量も多いしね。知れば知るほど、ガッカリかもしれませんね。

では、また。
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Unknown (りくすけ)
2023-10-10 06:00:03
Zhen様へ。

お邪魔します。
農業の背後に政治の影が見え隠れしているのは、
気付かないでもありませんでしたが、
その仕組みを知らずやり過ごしていました。
勉強になりました。
つまり僕は無知でした。
貴兄の今投稿ではありませんが---
ああ、恥ずかしい!穴があったら入りたい。
そんなキモチです。

では、また。
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Unknown (Zhen)
2023-10-09 21:00:08
Maruさんへ

ホンダがお願いした訳ではなく、行政がやる!と言ったので、盾を突かず、自分で自分の首を絞めた感じですね。

バラマキは、起爆剤になるのも事実ですが、それを続けると麻薬と同じ、身体を蝕ませるだけですね。

「痛みを伴う」って聞こえは良いですが、実態は「痛みを強いる」ですかね。それでも、改革になれば良いですが。

兼業でも農家の与党支持者は多いと思いますよ。今の農業への補助金がなくなれば、赤字、廃業が続出します。よって家業を継承できなくなるので、補助金はありがたいのです。でも、そんなことが、自分の子、孫の世代まで、続く訳がないですよね。

では、また。
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Unknown (marurobo36)
2023-10-09 20:20:54
ホンダの為に電車を走らせる
というのは、面白いですね〜😄

とにかく、変なバラマキは、ごまかしで、
実際は、後退させるだけで、何の役にもたっていない。
という事ですよね。そういう事を突き詰める政党が
出て来て欲しいもんです。
本当に大事な事を誤魔化さず、というのが、
痛みを伴う改革だと思いますが、兼業が多い現状では
票が集まらないんでしょうね。。。
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