「生協だれでも9条ネットワーク」

日本国憲法と平和主義、民主主義を守る活動を進める生協関係者のネットワークのブログです

2016/12/17 “生協だれでも9条ネットワークのつどい”のご報告(その6)斎藤嘉璋さんの報告

2017-01-10 23:45:04 | 参加報告
2016/12/17“生協だれでも9条ネットワークのつどい”のご報告(その5)の記事はこちら

【<生協だれでも9条「12・17集い」にあたって >
戦争と民主主義の危機の認識をどう広げるか(報告者:斎藤 嘉璋)】
                              
 この間、ブックレット『生協の歴史から戦争と平和を学ぶ』の学習会で、福島・会津、札幌、宮崎と大学生協九条の会で講演と皆さんとの懇談・交流をしてきました。16日は名古屋です。そのため、「だれでも9条ネット」の行動への参加が弱くなり申し訳ありませんでした。
 会津と北海道は九条の会のOBが企画し、現役の役職員も参加するかたちで、名古屋はコープあいちの学習会のあと九条の会のメンバーと交流となっており、いずれででも戦争法の取り組みが質疑や論議の中心でした。
 もともと私の歴史の話は、戦争の準備段階で自由と民主主義が抑圧され、その激化のなかでそれは圧殺され、生協の存続も許されない状況だったということことですが、問題は今現在の状況をどうとらえ、対応していくかということで、皆さんは真剣に考えていました。戦争する国になるということは平和なくらしだけでなく、自由と民主主義が抑圧、破壊されるということだという認識はこの間の学習会に参加した皆さんには共有されていた(あるいは共有された)といえます。

 戦争法は集団的自衛権容認という憲法違反の立場から始まっていますが、この間の総がかり実行委員会を軸としたたたかいが広がる中で、9条だけでなく、個人の尊厳を基礎とする国民主権の現憲法を守り生かそうとする「立憲主義」の立場がそれに対峙してきています。

 私は先に「戦争法強行採決から1年を迎えて」という感想文で、60年安保闘争が国民的な広がりを見せ、岸退陣にまで発展したのは「安保反対・平和を守れ」が5・19の国会での強行採決後「民主主義を守れ、岸やめろ」の国民運動に広がったためであり、今回も9・19以降そのような展開になっていると書きました。現状の運動は60年安保当時以上の広がりを見せているとはいえないと思いますが、野党共闘が市民の運動の広がりの中で実現し、それが選挙戦に反映し、国会での共同行動にも結び付くなどはこれまでにない動きとなっています。改憲勢力が3分の2を占めるといった危険な事態になっていますが、現在の平和憲法を守れという国民の意思はつよく、民主主義をまもろうとする「立憲主義」の考えも広がっていると思われます。

 ただ、私の参加した学習会でも議論となっている心配事は、若い世代に我々の思いがつたわり難いということです。大学生協九条の会のメンバーは現職の役職員で戦争を知らない世代ですが「若い学生組合員にどう関心と理解を得るか」が話し合われていました。地域生協の組合員さんも「生協がなぜ戦争や平和を問題にするのか私は理解できたが、皆さんに理解してもらうのは大変だ」と言っていました。
 「生協だれでも9条ネットワーク」としては少しでも若い人たちに輪を広げ、各自が、多分長期化するであろうこのたたかいに根気よく取り組むことだと考えます。


2016/12/17 “生協だれでも9条ネットワークのつどい”のご報告(その5)

2017-01-10 23:43:30 | 参加報告


<管理人より> 藤原一也さんによる全体のご報告の続きです。

3)斎藤嘉璋さんからの話題提供から

 続いて、ネットワーク世話人の斎藤嘉璋さんから「戦争と民主主義の危機の認識をどう広げるか」と題して報告がありました。
 斎藤さんは「生協だれでも9条ネットワーク」の世話人ですが、世話人代表挌の存在です。これまでにブックレット『生協の歴史から戦争と平和を学ぶ』を2016年4月12日に出版し、増刷しながら、全国の生協関係者に「読む機会」を提供してきました。また、このブックレットを題材にして、講演会や学習会を精力的にこなしています。>

 斎藤さんは、直近で福島・会津、札幌、宮崎の学習会に講師として参加し、大学生協9条の会で講演しました。これらは同時に、各地の学習会・集会の企画者や団体との交流とがセットにされているそうです。学習会の組み立てとして、最近は90分+30分=120分を基本にしています。
 斎藤さんの話は、生協の歴史と憲法の話を組み合わせているそうですが、今の状況との関連で憲法の話を意識的に加えているとのことです。本人が中学生時代に学んだ『あたらしい憲法のはなし』が立憲主義、基本的人権、平和主義について熱く展開してあり、紹介もしているとのこと。

 斎藤さんご自身の生協での豊かな蓄積に加えて、それぞれに特徴のある各地の最新の取組みの聞き役でもあり、自らの戦争体験やこれまでに蓄積した各地の経験を伝える、いわば語り部の役割を果たしていると思います。
 しかし、各地の学習会でも話題になっている心配ごとは、若い世代に思いが伝わり難いということです。「生協だれでも9条ネットワーク」としてもこの問題に根気よく取組む必要があると提起されました。

2016/12/17“生協だれでも9条ネットワークのつどい”のご報告(その1)の記事はこちら
2016/12/17 “生協だれでも9条ネットワークのつどい”のご報告(その2)山本邦雄さん報告レジュメの記事はこちら
2016/12/17“生協だれでも9条ネットワークのつどい”のご報告(その3)の記事はこちら
2016/12/17 “生協だれでも9条ネットワークのつどい”のご報告(その4)原田裕子さん報告レジュメの記事はこちら