つづき
この日は、母とオオタキさんが話しているところにトコトコ歩いて行くと、「あら?お嬢さん?へぇー俳優さんがいるのかと思った」と。
ああ、また褒めてくれてると思い、「コーヒー入れましょうか?」と聞くと、
「あなたに会えて胸がいっぱいでなにも飲めないわ」とおっしゃる。
まるで漫才か何かのような返し。
いつもぼーっとしている私は、こんな素早い反応がうらやましく、ニコニコ笑っていた。母も一緒に。
その後、もう1人かなり認知症が進んでいるような方がオオタキさんに「いつも2階から外の神社見てるんだけど、行けないかな」と相談してきた。
オオタキさんは、「私も中から拝んでいるわ。そういうところに行くのは準備とかいるから断られてたと思う、だから二階から見てればいいのよ」など話すが、相手の方はいつも遠くから見てるだけで、と繰り返す。
オオタキさんはまた同じことを言い、スタッフに聞いてみたら?と。
その方は「でもいつも受付に誰もいないのよ」というので、
私が横から「ベルを鳴らして呼ぶと出て来てくれますよ」と言い、母も同じように言った。
オオタキさんも「そうそう行って来たら?」と。
杖をついてゆっくりと受付の方へ。母がすかさずついていく。
チリーンと鳴らし出て来たスタッフに、その方が話すが、横から母が話し始める。けっこう的確に話しているようだ。
少し離れているので、よく聞こえないが、インフルエンザも流行っているのでまた季節が良くなれば行きますから、とおっしゃっていた。
その間、オオタキさんは私に話しかけていて、私は両方に耳を向けていた。
彼女と母が帰って来た。
あとから、こんな時は私が行く方がよかったかな?と思ったが、いや、母のできることを奪うことはなかったな、と納得していた。
世話好きな母の役割ができてこの日はよかったと思う。
そしてうちに帰って来てオオタキさんのことを考えていてわかったことがある。
以前から、オオタキさんは褒めるのが上手い、とか褒められて自己肯定感が上がるなど言っていたが、そうではなかったような…
彼女は褒めるのが上手いというのではなく、人を喜ばせるのが上手いのだ。
何か言って相手が喜ぶのを、ニコニコするのを見たいのだと思う。
昔からそうしていたに違いない。
今度会ったら、そんな昔話をしてみたいなと思う。
※18日に母に届けたテーブル。閉店したお店からもらって来ました。なんと8キロ近くあったのを約10分歩いて運んでへとへと。
よく見るとたくさんはげていた。白っぽいテーブルを黒く塗り替えた物だった。さくらのペイントマーカープロ用というのを買って黒い方はしっかり塗って届けた。天板部分はいつもお世話になっているOさんが塗料をくださるというのでそのうち直します。
それまでははげたまま…
(不透明だというそのマーカーつやなしではなく黒々していて…艶消しの脚に塗るとちょっとなーでしたがまあ、白いよりはいいかなと)
あっもう届けたので黒く塗った写真はないです…
この写真はOさんに相談した時のものです。