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夫が帰ってきたのは6時前。
どこで何をしていたのかは聞いてない。
帰って来て「孫の手、渡せなかったよ」とポツリと呟く。
私は何も言わずに背中をポンポンと叩いて、また食事の準備を続けた。
帰ってすぐに、仏壇がわりの彼の母と父の位牌の前で手を合わせていた。(彼の母もあみちゃん(仮名、私はこんなふうに呼んでいる)のことはよく知っていた)
そして、
「もう、いっぱい生きてやるぞー
たくさん美味しいもの食べて、トシユキの分も生きてやる」
そんな独り言のような、宣言のようなことを言いながら着替えていた。
早めの夕食。
「献杯するから入れるの出して」と言われてグラスを出すと、おちょこが欲しかったようだ。そこに日本酒を入れ先ほどの位牌の前に置き、私たちも献杯をした。
それからもその前も普通だった。
今まで知らなかったことを色々聞いた。いや、聞いていて忘れていたこともある。
「あみちゃんと最後に飲んだのっていつ?」と聞くと、意外にも今年の1月だった。
赤羽でたくさん飲んだみたいだ。
ガンと知ったのはいつかと聞くと、「もう3年前。あと1年って言われてたから長生きした方なんだけどね」と言っていた。
淡々と話す。
その日病院に行ったら名前がないので場所を間違ったかと思い、別の病棟に行ったりして、やっとその時にひょっとしてと思ったらしい。
看護師さんに聞いたが今は個人情報で言えないそうだった。でも何度も行って顔を覚えていたので2日前に亡くなったと教えてくれたそうだ。いや、でもすぐに泣き崩れてあまりよく覚えてないとのこと。
今日、あみちゃんの仕事仲間に連絡をしたら、やはりその方も家族からは聞いておらず、仕事関係から知ったと言っていたそうだ。
家族だけで誰にも言わないつもりだったようだ。
その方から、夫が行った前日25日の日曜日に亡くなったと聞いた。
明日、28日に火葬をするので夫は行くことにした。私は行かなくていいとのこと。ひっそり少人数で送ってあげたいのだろう。
※★道楽★さんのブログより
白梅