胎児は母親のおなかにいて、呼吸ができないのじゃないか、どうしているのかと以前は不思議に思っていた。我々がふだん見て知っている赤ん坊がそのまま母胎のなかにいると思っていたのだな。もしもそうなら、たしかに肺呼吸ができなくて生きていけまい。
実際には胎児は羊水のなかで、我々とはまったくちがう生き方をしているわけだ。我々ははだかで全身水中にいて生きていくことはできない。胎児は「べつのいきもの」だ。
水中に住むヤゴがやがてトンボになったり、長年地中ですごしたセミが飛んだり鳴いたりするのを、ふしぎなこと、おもしろいことに思っていたけれど、なんのことはない、自分自身がおなじようなことを経験してきたのである。
実際には胎児は羊水のなかで、我々とはまったくちがう生き方をしているわけだ。我々ははだかで全身水中にいて生きていくことはできない。胎児は「べつのいきもの」だ。
水中に住むヤゴがやがてトンボになったり、長年地中ですごしたセミが飛んだり鳴いたりするのを、ふしぎなこと、おもしろいことに思っていたけれど、なんのことはない、自分自身がおなじようなことを経験してきたのである。