与謝野晶子訳で源氏物語を読み進めているところ(原文が入手できない環境なので、以下、あくまでも与謝野訳に基づいて記す)。
序盤はぶっ飛んだ展開で驚愕させられたが、途中から調子が変わり、なんだつまらんと思っていた。しかし、光源氏が玉鬘に妙な気を起こすところで、またものすごいことになっていた。
「胡蝶」では、それまでと豹変して玉鬘に迫り出す源氏の長科白がすごい。とんでもない論理でのけぞらせてくれる。地の文も「変態的な理屈である」と言って煽る。
続く「蛍」では、いつの間にか源氏が小説論を展開しはじめる。虚構の登場人物が虚構を論じ出すという、筒井康隆みたいなことをする、と思っていたら、そこから源氏はさらに一歩進んで、「ありふれた小説の型を破った小説にあなたと私のことをさせましょう」と言うではないか。源氏の君は、自分の立場を何もかもご存じなのだ。ドン・キホーテでも、そこまでの境地にたどり着いただろうか。
序盤はぶっ飛んだ展開で驚愕させられたが、途中から調子が変わり、なんだつまらんと思っていた。しかし、光源氏が玉鬘に妙な気を起こすところで、またものすごいことになっていた。
「胡蝶」では、それまでと豹変して玉鬘に迫り出す源氏の長科白がすごい。とんでもない論理でのけぞらせてくれる。地の文も「変態的な理屈である」と言って煽る。
続く「蛍」では、いつの間にか源氏が小説論を展開しはじめる。虚構の登場人物が虚構を論じ出すという、筒井康隆みたいなことをする、と思っていたら、そこから源氏はさらに一歩進んで、「ありふれた小説の型を破った小説にあなたと私のことをさせましょう」と言うではないか。源氏の君は、自分の立場を何もかもご存じなのだ。ドン・キホーテでも、そこまでの境地にたどり着いただろうか。