星新一賞という文学賞が新設され、現在第2回目までの受賞作品が決定して、なんと無料で読めます。星新一と言えば言わずと知れたショートショートの代名詞みたいな作家ですが、この賞で募集するのは「理系的な発想に重点をおき、1万字以内の短い物語」です。1万字というと1ページ800字として13ページ以内ですからショートショートというには長く感じる作品もあります。
http://hoshiaward.nikkei.co.jp/no1_result/index.html
https://eb.store.nikkei.com/asp/ShowItemDetailStart.do?itemId=D1-00228260B0
https://eb.store.nikkei.com/asp/ShowItemDetailStart.do?itemId=D1-00239800B0
さすがに競い合って入賞した作品はそれぞれにユニークでおもしろい。これが無料で読めるなんて申し訳なくておひねりを出したくなるくらいです(^_^)
発想で印象的だったのは第2回優秀賞のひとつ『神の双曲線』。この形の新世界(新次元?・新宇宙?)のアイディアは私は見たことがありませんでした。グランプリの『次の満月の夜には』はSFとしてはメインな世界破滅テーマですが、現在の世界で一般には期待を持たれそうな技術が主人公であることが新鮮です。『ママ』もなかなかのハードSFだし、『世界が2019年を勝ち取るためのアイデアを募集します』は「魔法少女マニカマドカ」でも使われた今ではよく知られたアイデアながら、結構新鮮なストーリーを打ち出しています。『墓石』はしみじみした話にも見えますが、社会背景を深読みするとちょっと怖いところも・・という感想は私のようなひねくれた読者しか抱かないかも。
第1回ではグランプリの『「恐怖の谷」から「恍惚の峰」へ ~ その政策的応用』がやはりおもしろかった。SFを読み慣れたうるさい読者には割と早くにカラクリは想像できるのだけれども、それでもおもしろい。このテーマ自体が永遠のおもしろさがあるということだろうか? で、この独特の形式?を読み慣れた読者には楽屋ネタみたいな楽しみも出て思わず笑ってしまうのだけれど、ここまでやるか! いや、ここまでやれる技術が誰でも使える時代になったということかな。でも、どうせならここまでやっちゃえというアイデアと意気込みには一票です。
ちなみに審査員の半数ほどが(?たぶん!)SFファンを代表して、そうそうたる科学研究者です。各審査員のコメントも、それぞれの思考背景が垣間見えて興味深いです。なお石黒浩氏は第1回は審査員ではありませんでした(^_^)。
ちなみに第1回の『朝に目覚ましの鳴る世界』『おばあちゃん』、第2回の『墓石』『神の双曲線』、広げれば第1回の『ピロウ』も類似のテーマを扱っているのは、選評者たちの好みを反映しているのか、もともとこのテーマが多かったのか興味のあるところです。もともと愛と死は人生や哲学の重要テーマなのだけれど。
ジュニア部門は第1回はグランプリの1作しか掲載されていませんが、第2回は優秀賞も含めて7作が掲載されていて、とてもうれしい。さすがに大人の入賞作品と比べてしまうと完成度や細かい点での推敲は劣るような気もしますが、十分におもしろいです。
『未来の獏』は、「実は夢落ちではなかったとしたら、何が起きていたのだろう?」と考えると、様々な答えが出てきそうで楽しいです。短い小説では、描かれた場面の外側を色々と想像することも楽しみのひとつですね。
http://hoshiaward.nikkei.co.jp/no1_result/index.html
https://eb.store.nikkei.com/asp/ShowItemDetailStart.do?itemId=D1-00228260B0
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さすがに競い合って入賞した作品はそれぞれにユニークでおもしろい。これが無料で読めるなんて申し訳なくておひねりを出したくなるくらいです(^_^)
発想で印象的だったのは第2回優秀賞のひとつ『神の双曲線』。この形の新世界(新次元?・新宇宙?)のアイディアは私は見たことがありませんでした。グランプリの『次の満月の夜には』はSFとしてはメインな世界破滅テーマですが、現在の世界で一般には期待を持たれそうな技術が主人公であることが新鮮です。『ママ』もなかなかのハードSFだし、『世界が2019年を勝ち取るためのアイデアを募集します』は「魔法少女マニカマドカ」でも使われた今ではよく知られたアイデアながら、結構新鮮なストーリーを打ち出しています。『墓石』はしみじみした話にも見えますが、社会背景を深読みするとちょっと怖いところも・・という感想は私のようなひねくれた読者しか抱かないかも。
第1回ではグランプリの『「恐怖の谷」から「恍惚の峰」へ ~ その政策的応用』がやはりおもしろかった。SFを読み慣れたうるさい読者には割と早くにカラクリは想像できるのだけれども、それでもおもしろい。このテーマ自体が永遠のおもしろさがあるということだろうか? で、この独特の形式?を読み慣れた読者には楽屋ネタみたいな楽しみも出て思わず笑ってしまうのだけれど、ここまでやるか! いや、ここまでやれる技術が誰でも使える時代になったということかな。でも、どうせならここまでやっちゃえというアイデアと意気込みには一票です。
ちなみに審査員の半数ほどが(?たぶん!)SFファンを代表して、そうそうたる科学研究者です。各審査員のコメントも、それぞれの思考背景が垣間見えて興味深いです。なお石黒浩氏は第1回は審査員ではありませんでした(^_^)。
ちなみに第1回の『朝に目覚ましの鳴る世界』『おばあちゃん』、第2回の『墓石』『神の双曲線』、広げれば第1回の『ピロウ』も類似のテーマを扱っているのは、選評者たちの好みを反映しているのか、もともとこのテーマが多かったのか興味のあるところです。もともと愛と死は人生や哲学の重要テーマなのだけれど。
ジュニア部門は第1回はグランプリの1作しか掲載されていませんが、第2回は優秀賞も含めて7作が掲載されていて、とてもうれしい。さすがに大人の入賞作品と比べてしまうと完成度や細かい点での推敲は劣るような気もしますが、十分におもしろいです。
『未来の獏』は、「実は夢落ちではなかったとしたら、何が起きていたのだろう?」と考えると、様々な答えが出てきそうで楽しいです。短い小説では、描かれた場面の外側を色々と想像することも楽しみのひとつですね。
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