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本当は〇〇のあの歌-1

2024-11-03 09:27:30 | その他、雑記
 本ブログ(2024/02/11)「侵略にも三分の理(3):過剰防衛?」本ブログ(2024/04/26)「家族システムの「進化」:総括」ではロシア国家について少々厳しい見解を披露しましたが、ロシア民謡は好きです。そのオリジナルの歌を知りたくてロシア語をたしなんだくらいなので。といっても多くの人も知っているような歌しか知らないので、別にディープなロシア民謡好きとは言えませんが。

 色々ありますが、「ともしび」という歌があります。1番だけしか知らないという人も多いと思いますが、村を出て旅立つますらお(若者)を見送る乙女の灯すともしびが窓辺から見える、というロマンチックな歌詞です。ここで問題は若者の向かう先なのですが、これが実は戦場です。

 ということで2番では、戦場の友ができたけれど故郷や乙女(もちろん恋人でしょう)のことも忘れられない、という若者の想いが歌われます。そして3番では、乙女からの手紙が届いてうれしいな、ということに。

 そして4番では、恋人の手紙で元気いっぱいになった兵士は、改めて憎むべき敵(ナチスドイツ)に立ち向かうのでした。祖国ソヴィエトのともしびのために。


 えっ、何っ、これって軍歌だったの?
 でもさすがにヨーロッパというべきか、家父長制にもかかわらず比較的女性の地位が高いとされるロシア民族[*1]だからというべきか。戦前の日本だったら、「恋人のために戦おう」なんて軍歌はないよ!

 wikipediaの記事によれば歌詞が書かれたのは1942年、まさしく第二次大戦というか大祖国戦争の真っ最中。とはいえ官製の軍歌ではなく、民衆の中で自然に人気が出た歌でした。誕生は比較的新しいとはいえ、この発生過程は民謡と呼ばれるにふさわしいかも知れません。

 歌そのものは世界の民謡・童謡 世界各国の歌で知ることができます。いやあ今時の歌のサイトは素晴らしいですね。日本語版と原語版が共に動画付きで聴くことができます。

 ところでこのサイトに「日本語版ではゆっくりとしたテンポで叙情的に歌われるが、ロシアでは早めのテンポで行進曲風に歌われることが多い。」と書いてあります。聞き比べた感じでは、それほど大きな差には感じられませんでしたが、確かにロシア語版の方がテンポは速いです。日本の場合よりも少し軍歌っぽく歌われるということでしょうか。

 おなじことはwikipediaの記事にも書かれていて、「一般にロシアの歌が日本に伝えられると遅いテンポに変えられる傾向にあるが、この「ともしび」では特にそれが顕著で」と書かれています。

 そうなの? いや日本語になったロシアの歌はそんなに多くは知りませんからそういう傾向があるのかどうかは私にはわかりませんが、でも反例はひとつ知ってるよ?

 という話を次回にします。

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*1) 本ブログの「家族システムの進化」シリーズで紹介したエマニュエル・トッドによる研究結果から。
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