魔界と言っても悪魔や魔王の支配する世界とか地獄とかいう意味ではなくて、魔法というものが存在する自然界くらいの意味です。要はSFではないファンタジーの世界の異生物なんですが、普通に良く出てくる伝説上の生物からは外れた生物の話です。
SFであれば想像の限りを尽くした異生物が色々と描かれ、彼らが主人公と言えるような作品も多々ありますが、ファンタジーとなると伝説上の生物からは外れた作者の創造生物というのはなかなか登場しません。そしてなろう系作品の中で目に付いたのが「こちら!蟻の王国です!」です。
例によって主人公が死んで、転生した先は女王アリ! とはいえ実在の蟻とは違いほぼ人類並みの大きさです![*1]。デボン紀の昆虫以上の巨大化ですが、他の種族達である、実在の獣や人に似た動物との関わりを物語とするには適切な設定と言えるでしょう。
そしてこの異世界には実に様々な種族が存在し、しかも種族特有の魔法を使うことができます。例えば蟻であれば土を操れるようです。蜘蛛ならば糸を操れる魔法です。というような世界の事情を経験して主人公の思いついた仮説によれば、「地球の実在の生物種が魔物化して、彼らの特徴的な性質のひとつが魔法として与えられたのではないか?」との趣旨の理論になりました。
またこれらの魔物化した生物全般の特徴として、外骨格しかなく内部は柔らかく、硬化の魔法で疑似内骨格を作って運動するとされています。また体内に魔石なるものがあり、それを破壊されると死にます。
ということで実に様々な種族とその能力が登場して楽しいのですが、彼らの多くが人間並みの知能を持っていて、色々な制限はあるもののテレパシーというものが存在して意思疎通もできます。しかし心のありようというものが種族により実に様々で、意思疎通の手段があるからと言って理解しあうということはなかなかに困難な奴らばかり・・。いや実在のヒト同士もそれが実状というものでしょう。
作者は疑いもなく生物大好き人間で、色々と物珍しい実在種の魔法化生物が登場します。この生物が知性を持ってしまったらなるほどこうなるのか、というのが妙に説得的です。これほど多様な知的生命体が登場する作品はSFでもなかなかありません。
なおヒトに似た生物種も存在するしていて、その個体に転生してしまった元地球人達は「自分たちはこの世界の人間に転生した」と勘違いするのですが、主種としてはホモサピエンスとはほぼ別種です。なので主人公は「ヒトモドキ」と名付けました。ホモサピエンスとの大きな違いを挙げれば、
・1年でほぼヒトの小学生並みに成長し、5年で成人する。
・全員が腕から魔法を放って攻撃できる。
・雌の体格や体力が雄とほぼ同じ、またはむしろ大きくて強い・・らしい。
社会的にも雌優位だが、これは文化的なものらしい。
こんな5年という短い期間で言語や社会慣習などを学習できるものなのかどうかということは、現代科学でも解明の難しい問題ではありますが、色々と考察はできそうなところです。
実は他にもヒトとは異なる生物や魔物に転生したという物語は多いのですが、そのうち人に変身する能力を身に着けたりして普通の人間の主人公と変わりなくなったりする話も多いのです。その点この作品は徹頭徹尾、主人公はあくまでも蟻です。異生物テーマのSF作品の中においても水準以上の出来と言えます。これぞまさしくハードファンシーと呼べるでしょう。
SFであれば想像の限りを尽くした異生物が色々と描かれ、彼らが主人公と言えるような作品も多々ありますが、ファンタジーとなると伝説上の生物からは外れた作者の創造生物というのはなかなか登場しません。そしてなろう系作品の中で目に付いたのが「こちら!蟻の王国です!」です。
例によって主人公が死んで、転生した先は女王アリ! とはいえ実在の蟻とは違いほぼ人類並みの大きさです![*1]。デボン紀の昆虫以上の巨大化ですが、他の種族達である、実在の獣や人に似た動物との関わりを物語とするには適切な設定と言えるでしょう。
そしてこの異世界には実に様々な種族が存在し、しかも種族特有の魔法を使うことができます。例えば蟻であれば土を操れるようです。蜘蛛ならば糸を操れる魔法です。というような世界の事情を経験して主人公の思いついた仮説によれば、「地球の実在の生物種が魔物化して、彼らの特徴的な性質のひとつが魔法として与えられたのではないか?」との趣旨の理論になりました。
またこれらの魔物化した生物全般の特徴として、外骨格しかなく内部は柔らかく、硬化の魔法で疑似内骨格を作って運動するとされています。また体内に魔石なるものがあり、それを破壊されると死にます。
ということで実に様々な種族とその能力が登場して楽しいのですが、彼らの多くが人間並みの知能を持っていて、色々な制限はあるもののテレパシーというものが存在して意思疎通もできます。しかし心のありようというものが種族により実に様々で、意思疎通の手段があるからと言って理解しあうということはなかなかに困難な奴らばかり・・。いや実在のヒト同士もそれが実状というものでしょう。
作者は疑いもなく生物大好き人間で、色々と物珍しい実在種の魔法化生物が登場します。この生物が知性を持ってしまったらなるほどこうなるのか、というのが妙に説得的です。これほど多様な知的生命体が登場する作品はSFでもなかなかありません。
なおヒトに似た生物種も存在
・1年でほぼヒトの小学生並みに成長し、5年で成人する。
・全員が腕から魔法を放って攻撃できる。
・雌の体格や体力が雄とほぼ同じ、またはむしろ大きくて強い・・らしい。
社会的にも雌優位だが、これは文化的なものらしい。
こんな5年という短い期間で言語や社会慣習などを学習できるものなのかどうかということは、現代科学でも解明の難しい問題ではありますが、色々と考察はできそうなところです。
実は他にもヒトとは異なる生物や魔物に転生したという物語は多いのですが、そのうち人に変身する能力を身に着けたりして普通の人間の主人公と変わりなくなったりする話も多いのです。その点この作品は徹頭徹尾、主人公はあくまでも蟻です。異生物テーマのSF作品の中においても水準以上の出来と言えます。これぞまさしくハードファンシーと呼べるでしょう。
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