6月初めから実施してきた「ダウンチルトタイプの同軸コリニア」の評価がほぼ終了しました。
【線は水平線。ダウンチルトの放射パターン、水平線から上にはほぼない】
【線は水平線。従来タイプの放射パターン、水平線から上方向が主】
【結論】
「予想以上に遠距離伝搬能力」を持っていることが判明しました。
数字で書くならば他形式のアンテナよりも「見通し外伝搬が最低でも6dB」伸びています。
∔6dBを距離に換算すると1.5倍です。
現在手元に連絡が入っている従来型同軸コリニアの伝搬の最高記録は430MHz50W FM(海上伝搬、標高300m)で楽に
神津島⇔宮崎の750km
です。理論上、実験結果からこの1.5倍は確実に飛ぶことになります。つまりダウンチルト同軸コリニアを使用すると1,125kmとなります。
つまり条件が揃えばダウンチルト同軸コリニアならば小笠原から国内の沿岸地域は交信可能と推測が出来ます。
(小笠原で標高300m以上の場所かつ北側に開けている場所があれば)
【使用条件】
ただ使用条件は厳しいものでダウンチルトの主ローブは-3°です。(ダウンチルト角3°)また水平線から上はほぼ受信できません。
従って理想的には主ローブの最初の反射までの通過経路と反射時の経路に大きな障害物がないことが使用条件です。
標高100mで運用するとしてダウンチルト角3°で運用するためには
1km先でアンテナ位置から30m下までかつ反射経路に伝搬を妨害する障害物がない
3km先でアンテナ位置から90m下までかつ反射経路に伝搬を妨害する障害物がない
標高1000mの場合
10km先でアンテナ位置から300m下までかつ反射経路に伝搬を妨害する障害物がない
30Km先でアンテナ位置から900m下までかつ反射経路に伝搬を妨害する障害物がない
※障害物とは山や丘です
※実はダウンチルトタイプで一番気をつける必要があるのは山頂での設置方法です。
狭い山頂ならば上記条件を簡単に満たしますが、小仏城山や景信のような非常に広い山頂ではアンテナの設置位置と高さの検討が必要です。
また尾根筋では尾根筋方向には電波が飛びません。
【最後に】
山岳移動でも八木やループアンテナが使用されます。
スタックアンテナを持って行かない限り、八木やループの通常の垂直面放射角は20°程度あります。
山岳地域、山頂で八木、ループ系アンテナを水平に設置すると少なくとも半分は宇宙へ飛んでいくということです。
いや同軸コリニアも同じです。
(地上ではこれはプラスの効果があります。これが正に富士山反射等の山岳反射に使われます。)
ダウンチルトタイプの同軸コリニアは宇宙への無駄な放射はありません。
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