ありがとうって伝えたくって

「同軸コリニアアンテナ研究会」でgoogle検索するとHPをご覧いただけます。研究成果がまとめてあります。

エンドフェッド・アンテナの解析結果まとめ1

2015年04月16日 22時22分51秒 | エンドフェッド・ループ

 今回のエンドフェッド・アンテナの検討は、3月6日(金)の『アンテナ研究会』がきっかけで始まった。

元々、自分が移動運用で使用していたのは、①20mの1mmアルミ線を逆Lに上げて、アンテナチューナーに繋ぎ、更に10mのカウンターポイズを取り、整合させて使っていた。または、②G5RVだった。

また、アンテナ研究会に参加されていた、JA0JHQさんが使用していたのも③1/2λエンドフェッドだった。

この3つのアンテナには偶然??共通点がある。空中に重いバランを取り付ける必要がないのだ。

なので、

  • グラスポールでアンテナを支えることが出来る。
  • また、アンテナの高さ分の同軸ケーブルが省略出来る。

という特徴がある。

これらの考え方に基づいて・・ローバンド用アンテナを設計してみようと考えた。

アンテナの設計ポリシーは、

  • 山岳、島移動等の歩き移動運用でも簡単に持ち運べ、かつ現地展開容易なものとする。
  • DXにも対応できるように低角度の放射も確保出来る。
  • HFローバンド(1.8-3.5)にも同じ考えで対応する。
  • マッチング部は回路を簡単にして出来る限り各バンド共通化

とした。


MMANAの解析で、最初に行ったのは輻射パターンの確認だ。

仮に垂直アンテナとするならば、下図のような輻射パターンを持つことになる。

高い打ち上げ角に対する輻射が少ない。1エリアから考えると300-500K以内圏に相当する45度以上の輻射が特に少ない。

DX用のアンテナパターンだ。

世間で話題のVCHアンテナは、このジャンルに入る。

[垂直アンテナの輻射パターン]

では、1/2λのエンドフェッド・アンテナを逆L型に折り曲げてみると輻射パターンは。どうなるか?

逆L字の折り曲げた場合は、下図の通り。

[アンテナ長の50%折り曲げ時の輻射パターン]

[アンテナ長の40%折り曲げ時の輻射パターン]

以上、見てきたように逆Lタイプアンテナは

  • 低い輻射を確保しつつ、高い輻射もそれなりに確保できる
  • また全長の水平部分の割合を増減させることで、高い輻射成分と低い輻射成分を自分の運用に合わせて調整できる。
  • 一番、使いやすいのは全長の30-40%を折り曲げた時

と考えた。

最後に、エンドフェッドを低い高さで、斜めに設置した場合の解析結果を挙げておく。

[19mのアルミ線を地上高2mから8mくらいまで斜めに設置した輻射パターン。アンテナ展開方向に対し90度方向から見る。]

[19mのアルミ線を地上高2mから8mくらいまで斜めに設置した輻射パターン]

水平成分が多いので、輻射は高い角度が多くなる。架設方向を間違えなければ国内交信用としては十分だ。


次は、インピーダンスの変化とマッチングを調べてみた。

では。一挙に解析結果を掲載だ。マッチング方式は簡便なかつ損失の少ないL型マッチングを採用した。

「C側接地」と書いてあるのは、アンテナ側にコンデンサを並列入れて、その片方をGNDへ落としている。

「L側接地」は、アンテナ側にコイルを並列に入れて、その片方をGNDへ落としている。

『インピーダンスの変化』(逆Lタイプ設置の場合)

  • 折り曲げ角度が90度→60度→30度と小さくなるに従い、インピーダンス低下。
  • 垂直長が短くなる(=地上高が低下)とインピーダンス低下。
  • インピーダンスが低下すると、マッチングのL分が増加する。

「L側接地」は、アンテナインピーダンス変化に対するLのインダクタンス変化が大きい。

  • 従ってマッチングは、「C側接地」としなければ整合できない可能性あり。
  • 1/2λに近いとAの角度によるインピーダンス変化が激しい。(ある意味当然)

※エンドフェッドアンテナのインピーダンスは、半端な数字ではない。少なくとも1000Ω以上ある。1/2λに近づくと3000Ωにもなる。文中でインピーダンスが下がると言っても、そのレベルの話だ。

但し、表中でLのインダクタンスが0と書かれているものは、インピーダンスが50Ω近くまで低下しているからだ。なぜなら、18m、19mのアルミ線を角度30度で垂らすと、アルミ線の端が地上高1mを割り込み、アンテナインピーダンスが極端に低下する。

また、角度が90と30しかないにではなくて、最初はもっと細かく書いていた。解析を終えて眺めると、90から30度へ向かってインピーダンスが低下していくだけだったので、途中を省略した。

今回は、アンテナ線は1mmを前提にしたが、太いほどインピーダンス変化は少ない。

これをみながら決めた。

  • 7MHzのアンテナ長は、19m未満とする。(エンドフェッドでは)
  • カプラーは、18mのアンテナ長を前提に設計する。(薄緑のセルを参照)

[上記表をベースに製作したカプラー↓]

この結論で、常用する10MHzも解析してみた。

下表のように、7MHzでカップラーを設計しておくと、

  • 10MHzバンド以上のインピーダンス変化に対しては、全て対応できることが分かった。
  • 10NHzは、アンテナ長14mを採用した。

[C側接地のみ記述↓]

今回のまとめは、ここまで。

ただ、掲載された一覧を見て考えると・・イロイロ見えてくると思う。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿