久しぶりの槇尾山に来ています。
なぜ「槇尾山」なのか・・・
それは役行者の活動に由来します。
彼が経典28巻を書写し
これを葛城の山々に
埋めて行ったのですが、
その最後の巻きを
ここに埋めたことにより、
巻の尾の山から
この名前になったのだといいます。
山の上部には施福寺もあり、
何かと宗教が絡んでいる山なのである。
なので山道には、寺の名前が
たびたび登場しますね。
日本一登山者の多い東京の
高尾山も宗教が絡んでいますね。
ここもまたそういう役行者や
空海が絡んでいるからなのか、
登山者は多くいます。
また西国三十三の第四札所であり、
有名なダイヤモンドトレールの
端っこの山なので、いろんな人が来ます。
それだけに山中には
「火の用心」の案内がたくさんありますね。
懐かしい五つ辻を出たら、
桧原分岐の方を目指してゆきます。
みちは相変わらずきれいですが、
ところどころに岩場があり、
ごつごつしたところも通ります。
また林の中の道なので
植物はあまり多く生えていません。
でもねえちょっと待ってくださいよ。
先ほどから「カンアオイ」を
多く見かけます。
「イズミカンアオイ」なんでしょうか。
ところどころ、虫に食われている株も
多いですねえ。
カンアオイはギフチョウの食草です。
葉っぱをもって裏返してみると、
あれ?なんか卵がついている
じゃないですか。
まさかねえギフチョウが
いるんじゃないでしょうねえ。
いちおうギフチョウの南限は
大和葛城山当たりといわれて
いるのですが、移動してきたのかなあ。
春になってみないとわかりませんね。
カンアオイは他の生き物の
食草でもあったりするので、
可能性は低いだろうけど
春にはちょっと見に来るように
しましょう。
そしてここが桧原分岐です。
木にぶら下げた温度計では
11℃。
しっかり動いていたら
ちょうどいい感じです。
道は少し険しい感じがしますね。
遠くの方には岩湧山も
くっきり見えてきました。
眺めもいいので、
適当に30分毎に水分をとりながら、
遠くの景色も楽しめる感じに
なってきましたね。
そうしているうちに道も
またまたきれいな感じになってきました。
でもこのあたりに来ると、
カンアオイも一斉に姿を消します。
これはもう春には調査が欠かせませんね。
やがて道は大きな分岐点に出てきます。
ダイヤモンドトレールとの分岐です。
ちょうどこの時、
若い男性が一人歩いてまして、
岩脇にはどう行くんですか。
と聞いてきました。
時刻はちょうど昼頃です。
頑張ればいけないこともないので、
一応こちらですよと教えてあげました。
無理したらあかんよ。
滝畑ダムには一度出るからね
と案内しておきました。
そこで聞いて無理なら
あきらめてくれるでしょう。
山道を下っていく彼に、
気を付けてと声をかけておきました。
このあたりからは
1丁(108mくらい)ごとに
地蔵が立って施福寺への案内をしています。
きれいな道をどんどん進んで行くと、
その昔修行堂なんかがあった
お寺の中心部分に入ってきました。
そしてやっと到着です。
3時間近くかかりましたね。
お寺の片隅で、お弁当を食べ、
さあではいよいよ参道を
下ってゆくことにしましょう。
下からどんどんと人が上がってきます。
ああこれらの人はみんな
料金払ってきたんやねえ。
どんどん下って行ったところで、
料金を集めているちいさな
小屋のところにきました。
女性が二人で番をしています。
下ってきた我々に「ようお参り」
と優しく声掛けしてくださいました。
ああやっぱり下りは
無料だったのですねえ。
そうか、こんなことになっているのか
と納得し、銀杏だらけの道で駐車場まで歩き、
でもなあ、なんだかなあとか言いながら
車で帰っていく我々だったのでした。