髑髏フラワー

ママの口ぐせお花はドクロ!

マカロニ

2010-11-27 | Perfume
「マカロニ」という楽曲がある。

これは、2008年1月16日に発売された「Baby cruising Love/マカロニ」という両A面シングル曲のうちの一曲である。

「ポリリズム」でブレイクを果たした彼女たちの次に来たシングルで、多くの人々の期待がかかった場面でのリリース。そこで来たのが、「ポリリズム」と比較すると大人しい印象の「Baby cruising Love」と、もっと大人しい印象の「マカロニ」だった。

今になって振り返れば、中田ヤスタカ氏特有の「期待の裏切り」だと思えるが、当時はPerfumeの3人でさえも「ちょっと大人しい」という印象をもったらしく、中田氏に「それでも(ポリリズムと)BPMは変わらないんだよ」などという言葉を引き出していた。
それは「GAME DVD」での「Baby cruising Love」の爆発的なオーディエンスのノリを見るとよく分かる(個人的にはこの曲は「弾ける楽曲」だと思う。Aメロから少しずつ音が加えられて、サビで爆発するのが最高)。

そして、それよりも印象が弱かったのが「マカロニ」だった。

「とりあえずバラード調を入れてきたんだな」

くらいにしか当時は思わなかった。

しかしどうでしょう。

カウントはしていないが、現時点ではPerfumでは一番多く再生されている楽曲になった。
つまり「私がPerfumeで一番好きな曲」ということになる。

中田氏はかつてインタビューで「冬が好き」というようなことを言っていた。
PVの内容と相まって、中田氏の「冬好き」が爆発しているような楽曲だと思う。

夏に聴くと涼しげな雰囲気が楽しめて、寒くなってくる、もしくは「見上げた空が高く」なってくると、この曲と詩が深い味わいを醸し出してくる。

私にはこの「マカロニ」は完全なファンクに聴こえる。
シンプルで裏拍の効いたリズムと、これまたシンプルだが骨の太いベース。
インストだけを聴いたら、ガッツリと腰に来る。

そこに、3人の声と浮遊感のあるメロディーがフワッと乗る。
ファンでなければ聴き比べられないだろうが、しっかりとあ~ちゃん、かしゆか、のっちの声がパート分けされて、効果的に使用されている。

そして、詩が素晴らしい。


「マカロニ」(サビの部分のみ抜粋) 作詞・作曲・編曲 中田ヤスタカ

これくらいのかんじで いつまでもいたいよね
どれくらいの時間を 寄り添って過ごせるの?

これくらいのかんじで たぶんちょうどいいよね
わからないことだらけ でも安心できるの


もちろん、男女の恋愛についての歌詞なのだが、ファンにとっては、それが自分とPerfumeとの距離感に聴こえたり、Perfumeを取り巻く環境に見えたり、中田ヤスタカとの関係に見えたりする。

「これくらいの感じって、どれくらいなんだろう?」
と聴くたびに考えてしまう。
まあ勝手な思い込みなのだが、それだけ思い込める「隙間」がある、という事だろう。
それでいて「マカロニ」という言葉を中央に固定するセンスが素晴らしいと思う。

そして、この楽曲のダンスパフォーマンスは、リズムのファンクさとは打って変わって、どこかに飛んで行きそうなほど軽やかだ。披露するときの、笑顔と真顔の中間のような3人の表情もいい。

さらに極めつけはPVである。

ラフな映像のPVは、まるで早朝から3人とデートをしているような雰囲気で作られている。
冬の代々木公園や代官山、渋谷へと、3人と近い距離で映像は進む(私はGAME初回盤に収められている「樫野有香」ver.を見たときに「もふぉ」と声が出てしまった。しかしオリジナルが一番好きだ)。

しかし、デートが進むにつれ、3人に変化が訪れる。

のっちがカメラで空を飛ぶ鳥を撮影しているときに、何を見たのだろうか?ファインダーから目を離し、カメラを落とす。

ここから、3人は走り出し、見ている側とは距離が生まれる。

私にはこのシーンが、どうしても「(ポリリズムの)ブレイクの風を受けて走り出す3人」に見えてしまう。

ついさっきまで近くにいた3人が、走り始めて、手をつないで遠くに行ってしまうような切なさと、長い道のりを経て、やっとチャンスをつかんで追い風に乗る姿を見れる嬉しさが混ざり合う不思議な感覚に陥る。

正確な情報は知らないが、恐らく早朝から撮影を始めて、夕闇が迫る頃に撮影が終わったのだろう。
最後の3人が走るシーンが「夕方」ということも、この連想を支える。

再び夜になる前に、3人は走り出せた。

そういうPVなんだと、自分では思っている。

ポリリズム直後の、ブレイクの爆風を背に受けて走り出した、あのPVにいた3人は、もうどこにもいない。
もう一度書くが、「マカロニ」は、何かを失ってしまったようで、別の何か新しいものをつかんだような、切なくて嬉しい気持ちがこみ上げる、不思議な曲に成長したと思う。

楽曲、ダンスパフォーマンス、PV。どれを取ってもいい曲だと思います。


結論。
かしゆか好きっス!

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13 コメント

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不思議な楽曲 (HIGE)
2010-11-28 14:55:03
なんと全編マジレスとはww
しかし素晴らしいエントリでした。

BcLはCDとライヴでこんなに印象が変わるのか!と思いましたし、マカロニは聴き終わるとちょっと涙が出そうなでも笑顔になっている、そんな曲ですよね。

どちらもドームで披露されなかったのは残念でしたねぇ。
次のライヴに期待しましょう!

結論!かしゆか好きッス!(初めて樫野有香ver.を見た時、わたしも思わず声が出ましたw)
返信する
紅クジラ~♪ (髑髏フラワー)
2010-11-28 17:45:44
HIGEさん。

マジレスですよ?w
いやあ、つくづくいい曲だよなあと思いまして。
そして中田氏の計算高さ、読みの鋭さがしみじみと感じられますよね。
この頃はリリースされるとすぐに「中田氏は枯れた!」とか騒いでいた連中がいましたよねw
まったくそんなことは無いというww

確かにどちらもドームからは弾かれちゃいましたね…。
再びスタンディングの中からこの曲が聴きたいです。

結論。
かしゆか好きっス!
返信する
まさしく♪ (かしりょう)
2010-11-29 10:11:01
「樫野有香」ver.を見たときに「もふぉ」と声が出てしまった。<<僕も出てしまいましたw

最初に聴いた時は確かに「ん??」って感じだったのですが、今ではもうたまりません。

髑髏さんのブログ、ほんと面白いのでこれからもチェケラさせていただきますね♪

結論。
かしゆか好きっス!
返信する
続きw (かしりょう)
2010-11-29 10:15:41
すんません。途中で投稿してしまいました。
僕も同じく「もふぉ」と声を出しましたwww確かに最初は「ん??」ってな感じでしたが、今はもうたまりません。

髑髏さんのブログ、ほんと面白いのでこれからもチェキラせて頂きますね♪

結論。
かしゆか好きっス!
返信する
かしゆかとエアデート♪ (髑髏フラワー)
2010-11-29 17:01:37
かしりょうさん。

コメントありがとうございます~♪
「樫野有香」ver.はヤバかったですね!
いわゆる「わけゆか」の最終形態ですもんね。
今もう一度撮影したら、グッと大人っぽくなるんでしょうねえ。

これからもチェキラよろしくお願いいたします~!

結論。
好きっス!好きっス!
返信する
一人マカロニツアー (KINOPPY!!)
2010-11-29 23:09:59
先日、ドームで上京した際にあの河川敷へ行きました。

丁度夕方の時刻でセンチメンタルな雰囲気で良い感じでしたねぇ。

そのあと、上野に移動して村○さん充だったのは言うまでもありません。
返信する
ナイス一人! (髑髏フラワー)
2010-11-30 16:39:11
KINOPPY!!さん。

ここにまで村○さんの名前が上がってくるとは…w

マカロニツアーは行ったことないですねえ。
確か今はスカイツリーが写り込んでしまうんでしたっけ。
一度は行かないと風景が変わってしまいそうですね…。
やはり夕暮れがいいんだろうなあ。
返信する
同じくBcL/マカロニはよく聴きます (喉の人)
2010-11-30 19:25:39
いつ観ても「もふぉ」っとなりますね

結論
かしゆか好きッス
返信する
どちらも冬の名曲! (髑髏フラワー)
2010-11-30 21:17:10
喉さん。

なんだかアレですかね?2008年の記憶と一緒に補完されているのでしょうか?
当時の「爆発感」みたいなものも一緒に思い出したりします。

マカロニは彼女たちの成功と共に成長した曲ですよね。
どちらももう一度ワンマンで見たいっス!

結論。

ζ
o凹
返信する
やわらかいよね♪ (喉の人)
2010-12-01 19:51:03
聴いていると確かに当時の思い出もそうですが、小さめの箱での笑顔のかしゆかも思い出しますねw
と同時に現在の彼女たちの成功も感じます
この時期に聴くマカロニとBcLは何か心地よさと季節感を感じられていいよね
いいよね♪

結論。

ζ
o凹

返信する

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