土手猫の手

《Plala Broach からお引っ越し》

No.91「水の惑星」

2010-05-26 22:40:48 | 私記
「天敵」というよりも。
こどもたちが掬ったからにしか見えなかったその程度、僅かに数を減らしていたのは、ほんのつい先だって。
その日居たオタマジャクシも、緋色の群れも、体長30cm程も有った黒い影も。既に影形も無い。

たぶん昨日かそこいらだろう。申し分けばかりに張られた水の、澄んでいる様から見て取れる。

緑色の澱みを湛えた池は栓を抜かれて、オタマジャクシやザリガニはどこへ消えたのか。
魚はどこに行ったのか。

生え始めただろう足もまだ見ぬ5月の終わり。
セメントの底を露にした無機質な桶に、命を繋ぐ筈の水は注がれて。ぬしの無い石の水辺が出来た。



※「子供達」を「こどもたち」に直しました。(6/6)


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