犬と言う動物は「熟睡」する事がなく、うつらうつらしていると思うと、ちょっとした音で飛び起きる。
フクはいつも私のベッドを占領して、私にぺっとしくっついて寝ているのだけれど、これが「冬」は有難いが「夏」は暑いのなんのって。
なので、夏は、タオルケットは勿論、大判のバスタオル一枚で眠れる。
ベッドでパソコンを見ていると、じりじりと寄ってきて、「頭を撫でて、寝かせてくれ」と要求する。最初は左手で撫でてやっているんだけど、途中から、左手が痺れてくるので、そっと手を抜くと、目をぱちっと開けて「まだまだ継続して欲しいでつ!」てな顔で、鼻先で突いてくるのだ。
こうなると、最早PCをいじるのは不可能で、手枕でフクと向き合い、頭を撫でながら子守唄を歌う。
♪ふ~くちゃん、ふ~くちゃん、お~目目が可愛いのね。そうよ、母さんも可愛いのよ♪
あら?これって「ふくちゃん」を子供達の名前に変えれば、もうかれこれ50年は歌っているわ。
♪待っててね、待っててね、可愛い「ふくちゃん」見せるから、ご門のお外で待っててね♪ なんて歌う。
さて、私が初産で長男を授かった時、婚家は出産ラッシュであった。夫は4人兄弟で、うち3人が殆ど同時期に出産し、私は実家が遠いし、仕事があるので、田舎には帰らず、病院から婚家へ戻り、嫁に行った義妹もお里帰りをして、婚家は、毎日がアカンボの泣き声で、阿鼻叫喚の地獄であった。
夫の兄弟姉妹(男の子2人と女の子2人)は、ちょっと田舎では見た事が無いような「美男美女」であった。私がそのDNAを汚したようで申し訳ない。舅も姑もそれほどでもないのに、どうしてこんなに「美男美女」になるのか不思議だった。
幸いな事に、みんな「夫似」であるので、私はホッとしている。
そんな先入観があったのか、義理家族は、きっと顔も美しいのだから、お喋りも上品だろうから、方言が出ないようにと気を使っていた。
そんな時、義理妹が、泣き止まない自分のベビーを抱っこして、小さい声で子守唄を歌って寝かせようとしていた。
メロディーは覚えていないんだけど、囁くように歌う彼女は「聖母マリア様」のように美しかった。
♪大阪ナンバのたかしまや~、ナイロンパンティ売るところ~、安くて、薄くて良く見える~~~♪
ぎょえ・・・義理妹さん、あんた、めっちゃ卑猥な歌歌てへん?とどきどきしながらも、忠告するのも憚られて、只幼子を抱っこして下を向いていた新米嫁のワタクシ。
義理妹は、そんな私のうろたえぶりに目をくれる事もなく、アカンボが寝る迄、その歌を何度も何度も呪文のように歌っていた。
これも子守唄の一つ?初めて聞いてからもう半世紀、頭から出てくれまへん!
大阪らしい歌やな~と思いながら検索したらありました。
http://maasan.blog19.fc2.com/?m&no=588
♪大阪なんばの高島屋♪
♪透明パンツの売出し中♪
♪安くて薄くてよく見える♪
♪ねえちゃんいっぺんはかしたろか?♪
♪はくのが嫌なら脱がしたろか?♪
大阪の子供達はませていたようですね。
私が知っているのは、これ
♪ジャスコで万引き、ニチイで食い逃げ♪
♪ダイエーで捕まり、豚箱へ♪
ジャスコ、ニチイ、ダイエーはもうなくなりましたね。
最初は聞き間違えかと思ったけれど、ほそ~い声で「おおさか、なんばのたかしまや~」と、歌うので、そりゃもう田舎モンの私は「止めるべきか、放置するべきか」と悩みましたもん。
「ジャスコで万引き」も知らないです。
でも、かくれんぼをする子供達の掛け声、田舎では「だるまさんが転んだ」と言ってましたが、大阪では「坊さんが屁をこいた」って言うんですよね。
目が白黒する事ばっかりでした~。