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平成最後の旅 昇仙峡2

2019年05月13日 | 平成最後の旅 昇仙峡2

水晶の聖地

 
↑ ロープウエイ駅から仙娥滝に向かう道筋には水晶・宝石店が軒を連ねる ↓
 
  
昇仙峡は山梨県のほぼ中央に位置し、北に八ヶ岳、南に富士山、西に南アルプスを望む山梨県甲府市。ぶどうの産地として有名だが、かつて、同市北部で水晶が採れたことから、地場産業として宝石加工が盛んな場所でもある。
 
 
 
 
↑ 水晶街道を歩いていると見えてくる12トンの白水晶
 
 
戦国時代、風林火山で名を轟かせた武田信玄が、本拠地としていたのが山梨県甲府市。ワインの名産地としても有名だが、ここでワインが作られるようになったのは明治以降。それよりはるか昔には、水晶の産地として栄えていた。
 
 
↑ 甲州名物鳥モツ煮やほうとう(餺飥)の店も ↓
 
 
「山梨県の北部を中心に、かつて水晶の鉱山があり、良質な水晶がたくさん採れました。それで江戸時代後期には水晶の加工が盛んになり、山梨で水晶工芸が始まりました。それが山梨ジュエリーの始まりです」
 
 
↑ 桜も満開だ ↓
 
 
その後、明治時代には水晶の研磨技術と「かざりもの」と呼ばれた貴金属加工が結びつき、宝飾産業が発展していくが、明治にはほぼ水晶が枯渇してしまう。
そこで、これまでの技術を途絶えさせるわけにはいかないと、海外など他の地域から水晶を調達。
 
 
↑ 数々の原石が店頭に ↓
 
 
 
 
水晶彫刻やジュエリーを作り、今日まで技術を継承してきた歴史がある。
山梨ジュエリーの質の高さは、職人たちが伝統を受け継ぎ、切磋琢磨しながら発展してきた技術にある。
 
なかでも宝石研磨は、職人が指先の感覚だけで水晶表面を削っていく「手ずり」と呼ばれる、日本独自の伝統技術で行っている。
 
この、機械ではなくフリーハンドで石の表面にカットを施していく作業が、高いクオリティーを生み出す。
 
 
↑ ミツバツツジも見事に咲いていた ↓
 
 
 
 
 「手作業だと原石を見ながら、その石の特徴を生かして、自由なカットができるのです。そのため、ここでは唯一無二のオリジナリティーのある宝石ができるのです」
また、デザインから原型作り、仕上げまでの全11工程を見学できるほか、好きな石を選んで、職人の指導のもとで仕上げの研磨を行い、自分だけのジュエリーを作るジュエリー手作り体験もできる(要予約)。
 
 
 
長年、この地で育まれてきた技術は原石に温もりと柔らかな輝きを与える。それは何より、職人たちの愛情こもる手作業から生まれている。